商社繊維事業の現在地―2018年度決算から③

2019年06月05日(Wed曜日)

環境配慮が事業の肝に

蝶理/海外事業がけん引役

 蝶理連結繊維事業の2018年度は、売上高が1202億円(前期比6・1%増)、営業利益が37億円(8・0%増)、経常利益が37億円(6・6%増)の増収増益となったった。

 売上高のうち、国内売上高は4・8%減の337億円だったが、輸入売上高が10・5%増の506億円、輸出・海外売上高が11・7%増の359億円で、業績のけん引役を果たした。中国関連が輸入、輸出・海外の両方で10%弱の伸びとなり、とりわけチャイナ・プラス・ワン地域が輸入26・0%増、輸出・海外11・8%増、内販42・6%増と高い伸び率を示した。

 今期は連結繊維事業で売上高1300億円、経常利益46億円を見込み、そのために海外法人の直接貿易や内販拡大、グローバルサプライチェーンの拡充、高機能商材、環境関連商材の開発強化などに取り組む。

ヤギ/グループ経営強化に本腰

 ヤギ連結繊維事業の18年度は、売上高が1189億円(前期比4・2%増)、営業利益が30億円(5・4%減)、経常利益が29億円(4・3%減)の増収減益だった。

 売上高は、国内、輸入、輸出、海外のいずれも伸長した。糸・わた、生地、製品の主要3事業が全て増収となり、商品別構成比はほぼ前期通りの糸・わた16・2%、生地11・9%、製品71・9%となった。

 糸・わたで合繊原料から生地までの一貫開発、生地で環境配慮型商材の拡充などに取り組んだほか、製品では価格対応強化による量販店向けの拡大、期中QR強化による中高級ゾーンへの販売拡大が増収に寄与。タトラスジャパンや海外法人との連携も進展した。

 今期は売上高1200億円、営業利益30億円を見込んでいる。そのために、環境配慮型商材のさらなる拡充、グループ経営強化によるB2Cなど新領域への進出を推進する。

田村駒/川下顧客攻略に力

 田村駒の18年度連結は、売上高1165億円(前期比0・1%減)、営業利益21億円(3・0%増)、経常利益23億円(6・0%増)、純利益15億円(9・4%増)だった。連結子会社の減少が主な減収要因となった。

 繊維部門の連結売上高は889億円(1・3%減)。内訳は国内売上高288億円(6・3%減)、輸入543億円(0・1%増)、輸出17億円(16・5%減)。中東向けの素材輸出の減少が業績に影響した。

 今期は全社で売上高1200億円、営業利益25億円、経常利益25億円、純利益17億円の予想。川下顧客を攻略するため、差別化素材の開発やASEANシフトへの対応に力を注ぐ。非繊維ビジネスの拡大や海外生産・販売戦略にも取り組み、中期経営計画で設定した目標「主力ビジネスでのシェア拡大と新たな高収益事業の創出」の実現を目指す。