繊維は新材料/テクテキスタイル2019⑨

2019年06月07日(Fri曜日)

導電繊維でカーペットも

 2年に1度開催される「テクテキスタイル」には毎回、数社の日本企業が初出展する。今回展は大手企業2社が初出展者に名を連ねた。

 その1社が三井物産アイ・ファッション(MIF、東京都港区)。衣料用のイメージが強いが、東レのイタリアの人工スエード製造子会社、アルカンターラの日系自動車メーカーへの販売を担うほか、産業用繊維も取り扱う。その一つがKBセーレン(大阪市北区)の導電繊維「ベルトロン」で、MIFは輸出を担当する。

 ベルトロンは、カーボンブラック(ブラック、グレー)や白色金属化合物(ホワイト)を高濃度に配合した導電層と、保護する通常のポリマーの2成分から成るナイロン、ポリエステル長・短繊維。主に、静電防止のためワークウエアなどに使う。テクテキスタイルではベルトロンをメインに、同じくKBセーレンの超極細繊維によるワイピングクロス「ザヴィーナ」シリーズやポリウレタンメルトブロー不織布「エスパンシオーネ」を出品した。

 KBセーレンの担当者もブースに詰めて技術面でも対応する体制を取り、「新規でも関心を示すところが多かった。初出展としては成功」と手応えを得た。ベルトロンの輸出は「中国へのワークウエア向けが拡大しているが、欧州はワークウエアに加え、カーペットの制電基準が厳しくなっており、同分野の開拓も目指す」と言う。

 面白かったのはブースの構成。社名よりブランド名を重視したのか、ファッションの名が付くと同展では違和感があると考慮したのかは不明だが、社名は地味にブランド名を大きくした独自設計ブースは珍しい。

 同じく初出展となるユニチカトレーディングは他の合繊メーカー同様、社名を前面に打ち出したブース設計。ビニロン3軸メッシュ「トリネオ」をメインに本体のスパンボンド不織布、綿100%スパンレース不織布も提案した。山中伸明取締役産業資材事業本部長は「ガラス繊維使いが多い欧州でビニロンの良さを理解してもらうためのプレゼンが必要」と振り返る。日本では30年近くの実績を持つトリネオだが、欧州販売はこれから。「今回展の反省を踏まえて次に生かしたい」とする一方、「次回はフィルム、樹脂も含めたグループ総合出展も考えたい」と、次回展を既に見据える。