メーカー別 繊維ニュース

東レ欧州/設計から先端材料開発/開発拠点生かして協働

2019年06月10日(Mon曜日) 午後3時51分

 東レはドイツ・ミュンヘン近郊に置く「オートモーティブセンター欧州(AMCEU)」を生かし、欧州自動車メーカーとの共同開発を強化する。加藤多夏詩・在ヨーロッパ東レ代表兼トーレ・インダストリーズ・ヨーロッパ社長(25日付でダウ・東レ代表取締役社長就任)は、「AMCEUを通じて、5~10年先のテーマを基に自動車の設計段階から入り込む」ことで繊維、樹脂、複合材料などによる自動車向け先端材料の開発を推進する考えを示す。

 加藤代表は「炭素繊維を除けば欧州における知名度はまだまだ低い。それは逆に伸び代があるということ。AMCEUは広告塔としての役目も担う」と話し、展示ルームには全製品を展示。AMCEUには各種分析機器や試験機を置くとともに、分析評価子会社の東レリサーチセンター(東京都中央区)、エンジニアリング事業子会社の東レエンジニアリング(同)の担当者も駐在。「グループのシナジー発現にも期待できる」と説明する。

 東レグループは1966年にドイツ・ハンブルグに駐在員事務所を開設したのが欧州進出の始まり。現在は欧州12カ国、28の生産、販売拠点を持ち、従業員総数は3710人。このうち、繊維製造子会社は英国の長繊維織物製造のトーレ・テキスタイルズ・ヨーロッパ(TTEL)、チェコの裏地、エアバッグ基布製造のトーレ・テキスタイル・セントラル・ヨーロッパ(TTCE)、イタリアの人工スエード製造のアルカンターラの3社。

 TTELはユニフォームや自動車内装材へのシフトにより、安定収益体制を構築。TTCEはEU唯一の裏地製造として、QRが大手SPAに評価され、裏地の受注は好調。一方、エアバッグ基布は排ガス規制の変更に伴う自動車メーカーの対応遅れから低調だったが、4月以降は回復基調にある。ただ、労務費上昇が懸念材料と言う。

 アルカンターラは80%を占める自動車内装材向けが好調で、無溶剤タイプの設備を2倍に増設中。