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東レ合繊クラスター/18年度出荷額7%増に/物流でも企業間連携推進

2019年06月11日(Tue曜日) 午前11時46分

 東レと北陸産地などの繊維関連企業とで構成する「東レ合繊クラスター」の2018年度製造品出荷額は155億円で、前年度を10億円(6・9%)上回った。環境配慮型ストレッチ素材「ヴァーチャレックス」が昨年に続きけん引したほか、海外メゾン向け販売など輸出が堅調だった。

 7日金沢市で開かれた定時総会後の会見で宮本徹会長(丸井織物会長)が明らかにした。今年度は輸出をさらに拡大するとともに12、13の両日、東京で開く総合展でアピールする麻やウールなど天然繊維調の新開発素材を軸に売り込む。同時に衣料用が8割を占める現状を改め、資材など非衣料分野の開発・販売に力を入れる。

 輸出の強化に向けて、欧州市場ではラグジュアリー系大手メゾン4社を対象に、ミラノ・ウニカ開催期間中に個別商談会を開催、成約につなげた。手付かずだった米国市場ではカジュアルに強いスポーツ系アパレル2社にターゲットを絞り、東レの力を借りながら日本の高付加価値素材を売り込む。

 宮本会長は18年度を振り返り、「北陸産地の織物生産は、15年度以来、4年連続の前年割れという厳しい環境だった」と言う。出荷額の7割を占める国内市場も衣料用の不調が続き、「消費増税も控え、19年度の環境も厳しいと見ざるを得ない」との見方を示した。

 こうした中、クラスターでは開発・販売の拡充に加え、物流を含めたトータルコストダウンを今年度の重点課題に位置付ける。物流問題の改善は「現実に『反物を運んでもらえない』という喫緊の課題」で、個々の企業努力では限界がある。このため、「クラスターとして連携し、ITの活用などを通じ製造工程の無駄を極力排除したい」と企業間連携を推進する。