繊維は新材料/テクテキスタイル2019⑫

2019年06月12日(Wed曜日)

窓ガラス代替のフィルム

 出展者、来場者とも幅広い「テクテキスタイル」。日本からもさまざまな企業が出展する。その代表格の一つがアキレス(東京都新宿区)だ。テクテキスタイルには継続出展する常連でもある。

 同社は一般的に子供用の「瞬足」などシューズ製品メーカーとして知られるが、実はプラスチック製品や産業資材製品が主力。2019年3月期の連結売上高ではシューズ製品以外が84%を占める。

 一翼を担うプラスチック部門の化成品事業部がテクテキスタイルに出展を続けている。同事業部は窓用、パーティション用、アウトドア用(ボート、テント)、工場用に軟質塩ビフィルムを欧州輸出しており、今回展では遮熱フィルムの新商品を初披露した。

 同社によると、欧州輸出は窓用が主力。日本ではリゾートホテルの一部にとどまるが、欧州はカフェテリアのテラス席やオープンデッキなど窓ガラスの代替としてフィルムが普及しているという。

 ただ、これまで遮熱タイプは黒色のみ。「クリアの要望が多かった」ことから開発を進めてきた。しかし、遮熱性に加え、建築物に使う場合は難燃性も必要になる。こうした剤を練り込むため、今回の新商品も「どうしても白みがかってしまう」。来場者からはさらなるクリア化を求める声が多く「改良を図りたい」としている。

 幅広い出展者という面では大学も多い。今回展では世界各国から34の大学がブースを構えた。

 その中で日本からの唯一の出展が信州大学繊維学部になる。今回で3回目を数えるが、同大の村上泰教授(副学部長)は「繊維学部を持つ信州大学の認知度を高め、その魅力を訴求したい」として出展を続けてきた。

 これまでは大学や研究内容のアピールだったが、今回展は趣向を変えた。繊維学部の金翼水教授が開発したナノファイバーの提案に重点を置いていたからだ。ブース前面には既に発売されているナノファイバー製商品を展示。実験器具も置き、物性をアピールした。こうした展示は初めてになる。

 金教授はナノファイバーについて「これまでは消費者から遠い存在だったが、一般消費財に使われ始めたことで他用途への広がりが期待できる」と意気込みを示す。その一つがアウトドアウエア用になる。