ごえんぼう

2019年06月12日(Wed曜日)

 「ちっぽけな命まもってあげなくちゃ」。毛筆でのびのびとしながら、力強いタッチ。命という字がひときわ大きく書かれていた▼15日まで「ものづくり館バイYKK」で、知的障害を持つ人たちの書道作品展が開かれている。書道家の居原田礼子氏の指導を受けた41人の生徒さんが、漫画「海獣の子供」(五十嵐大介著)に出てくる印象に残った言葉を書で表現した▼「教室に入れなかったり、座っていられなかったり。字を書くことが苦手な子もいた。試行錯誤しながら24年間やってきた」と居原田さん。「素敵な個性のこの子たちだからこそ書けた作品」が実感できる▼高齢者の交通事故の一方で、親の虐待の報道も続く。「心臓聞こえる ずっと深いところに落ちていくみたいな音 トコン トコン トコン」という書もあった。子供は親の所有物ではない。一人一人に正面から向き合わない限り、奥底の心音を聞くことはできない。