繊維は新材料/テクテキスタイル2019⑬

2019年06月13日(Thu曜日)

ナノファイバー広がる

 日本化学繊維協会によると、ナノファイバーは直径が1¥文字(G0-AC88)㍍から100¥文字(G0-AC88)㍍、長さが直径の100倍以上の繊維状物質と定義され、「ナノサイズ繊維」と「ナノ構造繊維」がある。ナノサイズ繊維はファイバー直径がナノサイズ。ナノ構造繊維はファイバーの内部、外部、表面をナノレベルで制御した繊維と言う。

 ナノサイズ繊維の製造法には原料に高電圧を印加することで繊維を紡糸するエレクトロスピニング法、海島型繊維を分割、溶融する複合紡糸法、さらに超極細繊維不織布を製造するメルトブロー法などがある。

 エレクトロスピニング法による製造装置ではチェコ・エルマルコの「ナノ・スパイダー」、複合紡糸法では帝人のポリエステルナノファイバー「ナノフロント」などが有名だが、「テクテキスタイル2019」で信州大学・繊維学部が紹介したナノファイバーはエレクトロスピニング法によるもの。同大の金翼水教授が中心となり開発、特許も持つ。このナノファイバーが一般消費財に使われ始めた。

 その一つが米国ザ・ノース・フェイス(TNF)の透湿防水新素材「フューチャーライト」だ。透湿防水膜の代替になる。金教授によるとTNFはこのナノファイバーによる不織布を300万平方㍍使用すると言う。また、TNFとのコラボにより、BMWが軽量キャンピングトレーラーのコンセプトカーも製作した。韓国ではナノファイバーを生理用ナプキンにも採用する。今年4月に「エア・クイーン」のブランドで発売され、紙おむつでも商品化が進む。

 これらはウレタンを原料にしたナノファイバーで、生産するのは韓国・LEMON社。現在、年産500万平方㍍の能力を持つが、2020年には1600万平方㍍に増強する計画。

 金教授は「欧州市場での認知度は高くない。ナノファイバー技術がものになったことをアピールしたい」として、今回展ではナノファイバーを前面に打ち出した。

 アウトドアウエアや衛生材料などへの採用が進むナノファイバー。米国でナノテクノロジーが注目され始めた2000年から20年弱。いよいよ用途が広がってきた。