明日へ これが我が社の生きる道 染色加工編(22)

2019年06月14日(Fri曜日)

みづほ興業 他産地との連携を深化

 染色整理加工のみづほ興業(愛知県一宮市)は独自の特殊加工を強みに受注拡大を図っている。染色整理事業だけでなく、織物加工販売の事業も手掛けており全国の展示会に出展し、他産地との連携も深めている。近年は設備投資にも積極的で、生産性や品質の向上、省人化を進める。

 当初は受託で製織を手掛けていたが、1951年に染色整理加工業に切り替え、みづほ染色整理工場として創業した。翌年に法人化し現在の社名に変更。尾州の染工場としてウール素材を中心に加工を手掛け、産地の屋台骨を支えてきた。

 同社の強みは納期や小ロット対応で、水谷吉孝副社長(40)は「小回りを利かせた動きができる」と話す。加工の開発にも力を入れており、月2回社内でモノ作りをテーマにした会議を開く。「失敗も多いが考える時も実際に作る時も楽しい」と言う。

 その失敗から始まった加工が20年ほど前に開発し現在では同社の看板商品と言える特殊加工「リファイン」。ウールをフェルト化させ独特の膨らみ感を出す加工だが、元々はテンセルの加工に使用していた設備を使ってウールを加工したらどうなるかという発想から生まれた。

 実際に加工してみると、出来上がった生地はひどいありさま。「固い毛布のようなデコボコの生地になってしまった」。それでも諦めず、試行錯誤を繰り返しながら完成にこぎ着けた。最初は顧客から受け入れられなかったが、地道な提案によって徐々に注文が増えるようになった。

 その一端を担ったのが16年に立ち上げたインパナ事業部。加工を施した生地を全国の展示会などに出品することで、同社の加工技術の認知度向上を図った。受託加工という業態では、さまざまな商品を作っても提案する機会がなかなか望めないからだ。

 展示会に出展するようになったことで他産地からの加工依頼も増加。リファイン加工はもちろん、5年ほど前に開発した泡状の薬剤を塗布して多彩な風合いを出す「リボーン」加工も人気だ。「裏地に使ってみたいという、こちらが考えてもみなかった加工依頼もある」と語る。

 近年は設備投資に積極的で、4~5月にロープ洗絨(せんじゅう)機と樹脂加工機を1台ずつ増設。10月までにはイタリア製の風合い加工機を1台導入する。最新の設備にすることで作業が容易になり従業員の負担軽減を図り人材確保も狙う。

 他産地からの加工依頼が増えていることから、今後はセルロース系繊維や合繊といったウール以外の素材に対応した加工の開発を目指す。「面白い風合いに化けさせることができる加工を作りたい」と意気込む。

社名:みづほ興業株式会社

本社:愛知県一宮市起与三ヶ巻52―1

代表者:水谷常夫

主要設備:ロープ洗絨機7台、縮絨機6台、染色機18台(常圧、高圧で各9台)、乾燥機3台、起毛機2台、洗毛機2台、蒸絨機3台、ヒートセット1台、タンブラー乾燥機6台など。

月産能力:40万㍍

従業員数:43人

(毎週金曜日に掲載)