繊維は新材料/テクテキスタイル2019⑮

2019年06月17日(Mon曜日)

炭素繊維を上回るガラス

 ガラス繊維は高強度、高弾性、低伸度に加え、耐熱性、不燃性、耐薬品性などさまざまな機能性を持つ。長繊維はグラスファイバーと呼ばれ、FRP(繊維強化プラスチック)などの補強材に、短繊維はグラスウールと言い断熱材を主力とする。

 経済産業省生産動態統計年報によると、2019年の生産量は長繊維が約41万㌧、短繊維は約20万㌧。長短合わせて60万㌧を超える。因みに、高性能繊維の代表と言われる炭素繊維の生産量は約1万8千㌧で、同じ無機繊維でも圧倒的にガラス繊維の生産量が多い。

 そのガラス繊維はじめシリカ繊維、アルミ繊維、炭素繊維などの無機繊維、アラミド繊維などの有機繊維、さらにステンレスのような金属繊維を織物や不織布に加工する企業が愛知県江南市にある。日本グラスファイバー工業(通称・ニチグラ)だ。設立は1952年。現在、国内4工場に加え中国(2工場)、タイ、インドネシア、ベトナムにも生産拠点を持つ。

 ニードルパンチ不織布設備は武芸川工場(岐阜県関市)に7系列、中国の2子会社にそれぞれ2系列、インドネシア子会社1系列、中国の合弁先でも2系列があり、需要増に対応し、今年中に国内で1系列を増設する。

 「テクテキスタイル」は継続出展しており、今回が4回目。グラスウール製ニードルパンチ不織布を「他にはない商品」として訴求した。家電用として中国に販売するもので密度が粗く、断熱性能が高いと言う。

 製品以上に違いを見せたのがブース構成。日本企業のブースは通常、数多くの製品を展示するケースが多い。これに対して、欧米企業は製品を少なくし、商談スペースを大きく取る。例えばドイツのミシン針、フェルト針製造のグロッツ・ベッケルトは今回展で巨大ブースの大半が商談スペースとなっている。

 ニチグラも「過去3回は全商品を展示したが、今回は欧米流に合わせた」(朝居隆社長)。展示は四つの加工品に絞り込み、パネル紹介を大きくして、来場者から問い合わせがあれば詳細に説明できる体制を組んだ。ただ、パネルも含めて「ブース構成の改良はまだ必要」と言う。

 いかにして自社ブースに来場者を促すか。知名度がない企業は多くの出展者の中でどう目を引くかも必要になる。ニチグラの次回ブースがどう変わるのか。期待したい。