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東レ テキスタイル事業部門/縫製アジアシフトを取り込む/シルキー合繊の開発急ぐ

2019年06月18日(Tue曜日) 午前11時30分

 東レのテキスタイル事業部門は2019年度、素材、地域、サプライチェーンの「3軸経営をベースとする商流開拓を改めて強化する」(鳥越和峰テキスタイル事業部門長)とともに、ブランド戦略の見直し、部門内のシナジー発揮に取り組み、2桁%の拡販を計画する。

 東レ・テキスタイル事業部門は18年度、ユニフォームを主力とする機能製品部隊の苦戦を好調な婦人・紳士でカバーできず、売上高、利益でともに伸び悩みを強いられたという。アウトドア向けで大幅増を達成する一方、学生服や白衣向けが減速するなど用途や客先による好不調が顕著だった。

 19年度は独自の複合紡糸技術「ナノデザイン」による商品開発を推進し、新素材による発信を徹底。「ナノスリットナイロン」「プライムフレックス」「UTSフィット」に続く新素材を早急に戦列に加える。

 東レは20年秋冬のファッション市場では、引き続き天然繊維調が全体をリードするとみている。一方、「フェミニンな方向に多少、振れつつある」とも見ており、ナノデザインを駆使した開発を推進。大型素材への育成を目指すシルキー合繊を早急に完成させる。

 米中貿易摩擦の影響は「まだ顕在化していない」ものの今後、急速に進展すると見通す縫製拠点の東南アジアシフトを「取り込めるかどうかが業績の浮沈を左右する」と指摘、グループとして展開する海外拠点網をフル活用し、製品OEMも含めた取り組みの提案・発信で販売増を実現したいと言う。

 この間、取り組んできたファッション(婦人・紳士)、スポーツ、ユニフォームの連携・融合を加速。チームを作り戦略素材群の相互乗り入れを進めており、19年度中に「その成果をお披露目したい」と話す。

 昨年は電動ファン付きウエア向けの表地を高度化するため、小松マテーレと紫外線遮蔽(しゃへい)特殊コーティング素材を共同で開発した。今年はユニフォーム部隊と衣料資材部隊が連携し3層構造の新素材開発を進めており近々、販売を開始する。

 ユニフォーム向けを一定の販売規模に育成しつつあるウエアラブル「ヒトエ」の用途拡大にも意欲を示しており、19年度はスポーツ用途の掘り起こしに取り組んでいる。