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特集 アパレル総合19秋冬(1)/トレンド変化や消費増税に対応

2019年06月25日(Tue曜日) 午後5時2分

 19秋冬シーズンは紳士、婦人とも消費増税が10月に控える。このため、増税前と増税後のMDに工夫を凝らす。紳士はビジネススタイルの多様化への対応が求められ、婦人はトレンドに変化の兆しがある。

〈19秋冬婦人服トレンド/クラシック調が強まる/ボー・タイ、ニットアップも〉

 19春夏の婦人服市場では、ボトムスでパンツからスカートへとトレンド変化が見られる。フェミニンなワンピースも好調だ。こうした情勢を映し、19秋冬の婦人服企画では、ボー・タイ、ニットアップ(ニットのセットアップ)、プリーツスカートなどのアイテムが浮上。クラシックへの動きも強まり、スーツもメンズの工場で本格仕様したり、パターンオーダーを開始するブランドも増えてきた。

 レナウンの「アクアスキュータム」は、2021年に向けて19秋冬からリブランディングを開始している。ブランド改革ではラグジュアリー化、コンテンポラリー化を進め、本物志向の顧客に向ける。「クラブチェックやトレンチコートで、紳士と共通素材を使用。スーツのパターンオーダーも開始」する。同社の「レステラ」は、クラシックで伝統的なワードローブにひねりを加えた「オーセンティックモダン」を訴求する。

 オンワード樫山「J・プレス」は19秋冬のテーマに「プレイクラシックス」を掲げる。「スポーティーからクラシカルな流れに変化」を意識した。三陽商会の「ポール・スチュアート」も「クラシックモダン」をテーマに、クラシックでメンズライクな素材や柄を提案する。

 ボー・タイのブラウスやワンピースの提案も増えている。ルックの「スキャパ」は、ボー・タイテクニックをトップスに用いている。オンワード樫山の「組曲」は、スカート見えするパンツにボー・タイブラウスを合わせた。「丸首セーターの下にもボー・タイブラウスをレイヤードできる」と話す。

 フランスの上流階級の「クラシックハック」を秋冬テーマにするフランドルの「スーペリアクローゼット」も、ボー・タイのブラウス、ワンピースを展開。イトキンの「ミッシェルクラン」も「デテールでボー・タイテクニック」を施す。

 このボー・タイへの注目の背景には、19秋冬の「セリーヌ」コレクションで、エディ・スリマン氏がボー・タイブラウスを打ち出したことがある。

 ニットのセットアップも多い。ルックの「コレット」は上質なポンチ素材のセットアップを気温に左右される秋商品の軸とする。三陽商会の「エポカ」はニットコレクション「ラマリア」を、ニットのトータルコーディネートシリーズとして打ち出す。「ポール・スチュアート」や「マッキントッシュ フィロソフィー」もニットのセットアップを拡大する。イトキン「ミッシェルクラン」もニットのセットアップを提案する。

 プリーツスカートは多くのブランドが打ち出し、その差別化に工夫を凝らす。スカートでもプリーツの部分使い、ブラウスの袖にプリーツを施すブランドもある。

〈19秋冬紳士服企画/セットアップが増加/上質の追求に機能性も〉

 スーツが苦戦する中で、19秋冬の紳士服ではジャケットと組み合わせたセットアップ企画が増えている。ビジネススタイルの多様化が背景にある。機能性を付与するため、合繊素材使いも多い。

 三陽商会の「マッキントッシュ ロンドン」は「W.W.W(ウエザー・ウーステッド・ウール)」「ニューブリッジ フレックスジャージー」のセットアップアイテムを9月に拡大投入する。「ポール・スチュアート」も「これまでスーツが40%を占めていたが、カジュアルシフトし、セットアップを強化する」。スチュアーツトラベラーを含むビジネスカジュアルのカテゴリーを広げることで、多様化するビジネスシーンに対応する。

 「エポカ ウォモ」はハイテンションジャージーセットアップを投入する。尾州産地のオリジナル素材を使用し、伸縮性が良いのが特徴。ビジネスカジュアルの主力であるジャケットだけでなく、カジュアルラインのブルゾンも強化し、スタイリングの幅を広げる。

 レナウン「ダーバン」のスーツは1980年代のクラシック感を打ち出し、茶系やグリーン系も品ぞろえ。ストレッチなど機能的な要素もプラスした。「ビジネススタイルが多様化し、春夏も着心地の良いジャケットが人気で、連動してパンツの動きもいい」と言う。このため、秋冬ではセットアップを増強。リラックス感と機能性、出張時に役立ち、家庭洗濯可能なモバイルコレクションも打ち出す。

 「アクアスキュータム」は二つボタン・ノープリーツの新型モデルを開発。既存ラインではこれまでなかった30万円スーツも打ち出す。

 オンワード樫山「五大陸」のスーツは「ラグジュアリー×ファンクション」を提案する。より上質な素材にストレッチ性を持たせる。その一方で、通気性のあるポリエステルにインクジェットプリントして価格を抑えたスーツも7~8月に展開する。

 「J・プレス」は太番手ウールのスーツを提案しつつ、ウール見えする合繊素材も使用する。軽量感と保型性を求めて、裏地にも使える芯地を使用して、セットアップで展開。出張時向けやスポーティーなアウター向け企画では、合繊軸の機能カテゴリーが増えている。

 カジュアルの「ジョセフ アブード」は欧州のツイードやチェックをモチーフにした。スーツは本格仕様にこだわり、中国の大連工場で生産。「大人が着られるアウトドア」としてマウンテンラインも提案する。

 ワールドグループに入った米・オリジナル社は、連携深化によるシナジー発揮を狙う。オンラインカスタムシャツブランドの展開で蓄積した機能・ノウハウに、ワールドのデザインやパターンを融合してアイテムを増やすほか、中国市場への参入も視野に入れる。