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ITMA2019/村田機械/ボルテックスの新型を披露/ワインダーでウースターと協業

2019年06月27日(Thu曜日) 午後1時52分

 【バルセロナ=星野公清】村田機械は、スペイン・バルセロナで26日まで開かれた国際繊維機械見本市「ITMA2019」で、渦流精紡機「ボルテックス」の新機種「ボルテックス870EX」を初披露した。生産性をさらに高め、最高速度・毎分550メートルを実現している。自動ワインダーでは、利便性をさらに高めるなどの改良を行った。

 新機種「ボルテックス870EX」はスプライサーの速度向上、内部のシャフトやカップリングの改良などにより、従来機よりも生産性を10%向上させた。綿100%やポリエステル・レーヨン混などでは毎分500メートルでの操業を続けるユーザーも多く、さらなる生産性向上の要望が高かった。生産を今月始める。

 自動ワインダーでは「プロセスコーナーⅡ」シリーズの最新機種である「QPRO EX」「FPRO EX」を欧州で初披露した。上海で昨年開催された「ITMAアジア」で発表した機種だが、QPROではオートバランス機能を加えるなど改良した。

 オートバランス機能は、精紡機の満管所要時間に対し、自動ワインダーの巻き取り状況を逐次確認。想定外のトラブルで停止した場合、リカバー後の巻き取りスピードを自動増速するなど、精紡機とワインダーの生産進捗のバランスを常に保つ。

 ウースターの糸切れ検知装置「センチネル」と協業し、ホストコンピューターのデータ交換も実現した。相互の情報を共有してユーザーの生産性向上に貢献する狙いで、例えば(1)異常を検知した錘からはワインダーに打ち出さず無駄な生産を削減する(2)ワインダーに入って糸切れの多いボビンの情報を伝え、精紡機での改善に役立てる――ことなどが可能となる。

〈ボルテックスの拡販加速/リデュース面で環境に貢献〉

 村田機械は渦流紡績機「ボルテックス」で、素材や製品ブランドとの協業を深耕するほか、サステイナビリティー(持続可能性)に貢献できる機械としての訴求を強める。2025年には現在の2倍以上となる月100台への拡販を目指す。

 ボルテックスはレーヨンから導入が進んだが、近年はポリエステルや綿などさまざまな素材に広がり販売を伸ばしている。細番手は80や100番、太番手は8番と可紡範囲が広がったことで用途も拡大。近年はアパレルだけでなく、カーシートやホームファブリック、テント地、消防服やパイロット服など資材用途にも広がっている。

 今後はボルテックスの糸特性に加え、機械の特徴の訴求も強めて拡販につなげる。リング精紡に対しては、ボルテックスの高生産性、粗紡から精紡、巻き返しまで一台ででき、省人化に寄与する点などの強みを生かす。新興国の人手不足や電気代の高騰が深刻化する中でこれらの特徴が改めて注目され、中国、インドなどから多くの引き合いがあると言う。

 リーターに加え、インドのラクシュミがエアジェットタイプを発表するなど競合激化が予想されるが、ここではさまざまな素材メーカーや薬剤メーカー、アパレルとの協業を進めてきたことを強みとする。ITMAバルセロナでは世界の33素材ブランドと協業したボルテックス糸使いのテキスタイルを紹介。今後、素材から製品までの各ブランドとの結び付きをさらに強化し、「ボルテックス」ブランドの知名度向上を図る。

 サステイナビリティーや機能性での訴求も強める。特にリデュースの面からの貢献を重視し、衣料品の大量生産・大量廃棄問題に対しては、品種切り替えの能力が高く小ロット生産・QRに向く点の訴求を強める。

 今後の拡販に向けて、生産体制も整備する。加賀工場では昨年に新生産棟を新設するなど7千平方メートルの拡張を既に実施したが、来年にはさらなる拡張を行う計画。ロボットの導入など自動化を進め、月ごとの生産の増減にフレキシブルに対応できる体制を構築していく。

〈JUKIセントラルヨーロッパ/「ITMA2019」出展に高い満足度〉

  【バルセロナ=角秋雄】JUKIの欧州販売拠点であるJUKIセントラルヨーロッパは「ITMA2019」で、ワークウエアやニットウエアの縫製を中心に多数の生産形態に対応できるよう多彩な縫製機器を出展した。

 出展機種は、ダイレクトドライブ高速本縫自動糸切りソーイングシステムのDDL―9000Cシリーズをはじめ、高速電子閂止めソーイングシステムLK―1900BN、高速電子単糸環縫根巻きボタン付けミシンAMB289Aなど10機種を超える。JUKIセントラルヨーロッパが販売を手掛けている素材トリム機能付きテープ接着機JEUX―7510や温風シール機JEUX―AI001が来場者の関心を特に引き寄せた。来場者も機械の実演を熱心に見て、スタッフの説明に耳を傾けていた。

 JUKIセントラルヨーロッパの製品マネジャー、ジョン・ライランス氏によると、今回の出展は当初期待したより良い感触で、ドイツ・フランクフルトで5月に開催された「テックスプロセス」と同様なレベルになっていると高い満足度を示した。