明日へ これが我が社の生きる道 染色加工編(25)

2019年07月05日(Fri曜日)

栄光染色  あらゆる原料を染め・加工

 「ばら毛染め」。わたの状態で染めることを指す。原料染めの一種だが、そのばら毛=わた染めを主力とするのが、尾州産地にある栄光染色(愛知県一宮市)。同社は1959年、紡毛紡績用のわた染めを行っていた茶清染色が合繊部門として茶清合繊染色を発足させたのが始まり。67年に現社名に変更。91年に茶久染色(同)傘下となったが、2018年11月1日、豊島紡績(名古屋市中区)の子会社となり、豊島グループの一社として新たなスタートを切った。

 豊島紡績の子会社化に伴い就任した菱川純治社長(59)によると、同社の特徴は梳毛紡用、綿紡用、紡毛用、合繊紡などあらゆる紡績向けにわた染めを手掛ける点にある。学生服など向けのポリエステル・ウール混を主力とし、ばら毛染めのシェアは70~80%と高い。尾州産地に拠点を置きながら需要家は尾州産地以外が多い。

 ばら毛染めはわた段階で染色するため、例えばポリエステル・ウール混では混紡糸にする際、黒、紺、グレーの基本色に染めて、色合わせするには「長年積み重ねてきたきめ細かなノウハウが必要」。ばら毛染めは複合であっても、それぞれわた状態でまずは染める。その組み合わせによって、求められる糸の色に仕上げるのが「職人技であり、当社の強み」になる。

 「糸染めや生地染めでは染色処方に限界もあるが、ばら毛染めならば求められる色、つまり最も良いものを作ることができる。色ぶれがなく、染色堅ろう度も高い」と話す。

 ばら毛染めに加えて、チーズ染色、トップ染めも行う。しかも、カード機、コーマ機まで保有する。

 染色加工企業がカード機、コーマ機まで持つのは不思議だが、梳毛紡の場合、前工程を持つ企業がほとんどなく、染色加工企業がその役割を担っているためだ。

 染色だけではない。機能性付与を含めて、さまざまな加工も行い「何でもできるのも特徴の一つ」(菱川社長)。その何でもできる強みを生かしたのが、衛生材料向けを中心とする綿やレーヨンのわた晒し。さらに染色性も問題がある高性能繊維の染色も行う。需要家と秘密保持契約を結びながら、産業資材向けの加工に取り組む。

 主力である学生服向けが今後、少子化の影響を受ける。それだけに、こうしたさまざまな原料の染色や後加工を手掛ける強みを生かし、紡績用以外の新用途開拓に取り組む。もちろん、豊島紡績の子会社として親会社との連携も今後、模索する。

栄光染色

社名:栄光染色株式会社

本社:愛知県一宮市松降通7―19

代表者:菱川 純治

主要設備:ばら毛(わた)染色機28台(10~400㌔)、チーズ染色機4台、トップ染色機2台、カード機2台、コーマ機25台、その他乾燥機、自動梱包(こんぽう)機など

月産能力:100~120㌧

従業員数:56人

(毎週金曜日に掲載)