「インターテキスタイル・パビリオン深セン」が開幕/市況低迷で備蓄品ニーズ拡大/ジャパンパビリオンに11社出展

2019年07月05日(Fri曜日) 午後4時52分

 華南市場に焦点を当てた生地・副資材展「インターテキスタイル・パビリオン深セン2019」が4日、中国・広東省深セン市で開幕した。日系企業が出展する「ファイン・ジャパンパビリオン」には、新規4社を含む11社・団体がブースを構える。市況低迷で地場ブランドが備蓄品へのニーズを強める中、各社ブースでは備蓄機能の訴求が目立つ。会期は6日まで。

(深セン=岩下祐一)

 今年のインターテキスタイル・パビリオン深センには、中国、日本、韓国、台湾などの約千社が出展、3日間で2万5千人前後の来場者を見込む。「インターテキスタイル上海アパレルファブリックス」に比べ規模で見劣りするが、日本企業の同展への注目度は近年高まるばかりだ。

 この背景には、深センに日本の素材と相性が良い高級ブランドが少なくないことや、消費の“アップグレード”に対応するため、これらのブランドが差別化を求め、日本の素材の採用を増やしていることがある。百貨店ブランドがネット通販にも力を入れ、引き付け型生産にシフトし、日系商社の備蓄品を重宝していることも大きい。

 フランスのメンズブランド「DANIEL HECHTER」をライセンス展開する華創服飾も、日系企業の素材を増やしている。主要顧客の80、90年代生まれの男性のファッションへの要求が高まっていることに対応するため、「この一年、デザインや素材の見直しに取り組んできた」(李委ヒン副総裁)。それに合わせ、これまでパンツ地中心だった日系素材の採用を、幅広いアイテムに広げている。

 今年のジャパンパビリオンには、スタイレム、サンウェル、宇仁繊維、双日ファッション、桑村繊維、コッカ、クリスタル・クロスの常連7社と、米沢織物工業組合、増井、サンファッション、アイリスの新規4社が出展している。

 常連出展者の足元の市況感は一様に厳しい。「二極化が進み、負け組が淘汰(とうた)されている。従来型のビジネスから脱却できないところが特に厳しい」(スタイレムの現地法人、時代夢商貿〈深セン〉の山田智彦総経理)、「(市況の低迷で)深センの顧客も在庫をだいぶためている」(サンウェル国際販売事業部国際販売部の川端博士部長)などの意見が聞かれる。

 低迷の理由の一つが、米中貿易戦争の影響。昨年後半から経済の先行き不透明感が増し、消費者の財布のひもが固くなり、それが店頭不振につながって各社の在庫が増えてきた。そのため、ブランド各社は、備蓄品を従来以上に求めるようになっている。

 こうした中、スタイレムやサンウェル、双日ファッションなどの備蓄系生地商は今回展で、備蓄品の訴求に改めて力を入れている。

 クリスタル・クロスも2年前に中国で始めた日本製生地の備蓄品をアピールしている。市況が振るわないことが影響し、顧客の価格要求が高まっていることから、バイオーダー品に比べ価格競争力のある備蓄品を今回用意。会期の3日間で、会場で1千万円以上の販売を目標に据えている。