産地の7~9月を読む⑧

2019年07月10日(Wed曜日)

産地の7~9月を読む⑦

 デニム産地である三備地区は、昨年後半から年初にかけて低調なジーンズカジュアル市場と、デニムのダウントレンドから景況は良くなかったが、昨年に比べると受注は戻りつつある。

 デニム製造最大手のカイハラ(広島県福山市)は、「市況は悪いが、昨年に比べるとプラスで推移しており、輸出も若干ではあるが増えている」と回復基調であることを指摘する。ある織布工場も大手ナショナルブランドを中心に受注が増え、「国内はそんなに悪いイメージはない」と話す。セルビッヂデニムの需要が再び増えてきたことに加え、10月の消費増税を控え、駆け込み的な発注も増えつつある。

 欧州向けの輸出も「広幅はチュニジアからが多いようだが、セルビッヂデニムは日本が圧倒的に多い」との声も聞かれ、日EU・EPA(経済連携協定)発効による関税撤廃で「じわじわと影響が出てきた」と、復調の動きが見られる。

 ただ、全般的に好調とはいえず、一部の企業から「復調した感じもなく、全体的に戻っていない」(織布企業)、「あまり良くない。上がる気配も感じられない」(染色加工)などの厳しい声も聞かれ、回復には時間がかかるという見方もある。

 産地内で一般消費者に向けたアピールが活発化。井原商工会議所(岡山県井原市)と備中織物構造改善工業組合(同)、井原被服協同組合(同)が連携して立ち上げた「井原デニム」ブランドが今年2月に地域団体商標に認定された。兵庫県豊岡市の産地ブランド「豊岡鞄」とのコラボレーションなどにより、発信を強めている。

 福山市でも、デニム関連企業がデニムブランド「福山ファクトリーギルド(F.F.G)」を立ち上げ、ジーンズを開発するなど、産地の魅力発信に力を入れる。「産地内での結束力が上がり、前向きな雰囲気になってきた」との声も聞かれ、さまざまな取り組みを需要喚起につなげる。