産地の7~9月を読む⑨

2019年07月11日(Thu曜日)

北陸 不安抱えてオフシーズン

 合繊長繊維織・編み物を主力とする北陸産地では、個々の企業によって明暗が分かれるものの、細繊度高密度織物を主力とする大手企業の19秋冬向けが堅調に推移する。中肉厚地織物を手掛ける大手企業もまずまずの受注状況にある。

 北陸3県の2019年1~4月織物生産量合計は1億7535万平方㍍で、前年同期比7・6%伸びた。福井県15・4%増、石川県2・0%増、富山県7・0%増と、3県とも前年実績を上回っており、各社の発言も数字が裏付けている。

 ただ、企業ごとの差も大きく、勝ち負けがはっきりしているとの見方は多い。現状は受注、販売が堅調な繊維企業も、先行きについては慎重にみる。ある織物製造は「当社のスペースは埋まっているが、産地全体ではファッション衣料向けが依然として厳しい状態にあり、支えていた自動車など資材用も芳しくない」と話す。

 幸い、北陸産地が得意とするスポーツウエアやユニフォームに大きな変化はないようだが、店頭不振、米中貿易戦争の影響、さらに日韓関係の悪化など不安定要素は数多い。環境規制の強化に伴い生産スペースが縮小した中国も能力的には復活し、その能力に余力があるとされる中で「どう動くのか。影響が読みにくい」(織物製造)と言う。

 受注状況だけでなく、染料の製造コスト上昇、働き方改革への対応もあり、北陸産地企業の多くが先行きに不安を抱えた状態でシーズンオフを迎える。