インド繊維業界/バングラデシュからの輸入増で政府に支援要請

2019年07月11日(Thu曜日) 午後3時17分

 インド南部タミルナド州の繊維業界が隣国バングラデシュからの輸入拡大を懸念し、業界団体を通じて中央政府のイラニ繊維相に支援を求めていたことが分かった。「エコノミック・タイムズ(電子版)」が2日に伝えた。

 インドは2017年7月の物品・サービス税(GST)の導入を機に、バングラデシュに対する12%の相殺関税を廃止したため、輸入が拡大したとみられる。書簡で中央政府に支援を依頼したインド繊維企業家連盟(ITF)によると、18~19年度(18年4月~19年3月)の輸入額は10億7千万ドルで、前年度から53%増加した。

 ITFは政府に対して、国内で事業展開する小売業者やアパレルブランドと国内の繊維メーカーの間を取り持つよう求めている。バングラデシュの生産コストの安さは脅威ではあるものの、インドの繊維業界は国内や欧米のブランドに対して、周辺国よりも優れた製品とサービスが供給できると訴えている。

 タミルナド州は、コインバトールやティルプールが繊維産業の集積地となっている。ITFには560余りの事業者が加盟しており、売上総額は4千億ルピー(6260億円)余りに上る。〔NNA〕

〈インド・タタ/自社の低価格衣料ブランドに注力〉

 インドの財閥タタ・グループ傘下でアパレルブランドの小売りを手掛けるトレントは、自社が展開するインド発ファストファッションブランドの拡販に注力する。トレントは10年にわたり、合弁を通じてスペインのファッションブランド「ザラ」のインド事業を担ってきた。ザラの展開で培った経験を生かし、低価格を売りとする自社ブランド事業を加速する。「ビジネス・スタンダード(電子版)」がこのほど、ブルームバーグの報道を引用して伝えた。

 トレントのノエル・タタ会長が明らかにした。欧米のファッションとインドのエスニックファッションを融合した「ウエストサイド」と、全商品を15ドル以下で展開する「ズディオ」の2ブランドに注力。ウエストサイドは年40店舗、ズディオは年100店舗超のペースで出店を加速する。

 インドでは近年、スマートフォンが急速に普及したことでファッションに敏感な人口が急速に増加している。一方で世界経済フォーラム(WEF)のリポートによると、2018年に年間の世帯収入が8500ドルを上回ったインド人世帯は全体の25%に満たず、過半数のインド人がザラをはじめとする海外のファストファッションブランドの商品に手が届かない状況に置かれている。

 トレントは、世界のトレンドを取り入れながら、ザラの半額程度で購入可能な自社ブランドを各地に展開することで、急拡大する「流行に敏感なインド人消費者」の取り込みを狙う。

〔NNA〕