産資・不織布通信④

2019年07月29日(Mon曜日)

日清紡テキスタイル開発素材事業部 素材の独自性生かす

 日清紡テキスタイルの開発素材事業部は、綿不織布「オイコス」、溶融紡糸スパンデックス「モビロン」とモビロンエラストマーによるテープやバンド、フィルムなど独自性の強い商材を扱っている。開発素材事業部の蓮蔵和彦部長は「いずれも素材の独自性を生かした用途の開拓に力を入れる」と話す。

 オイコスは、生理用品など衛材や使い捨ておしぼりなどが主力用途だったが、近年はフェースマスクなどコスメ用途での販売が拡大。日本だけでなく中国など新興国も含めて底堅い需要があり、引き続き衛材と並ぶ重点用途と位置付けている。

 ただ、レーヨンスパンレースなど他素材との競合も激しい。このため同社は、「綿にシルクなど他の天然繊維を複合するなど原料の工夫や、2層構造化など不織布設計の工夫で対抗する」と話す。スパンレースは製造時に使用する水の清潔さも品質に直結する。藤枝事業所(静岡県藤枝市)で月150~200㌧を生産しており、同事業所が清潔で豊富な水資源を確保できることも強みとして打ち出す。

 モビロンとモビロンエラストマーも用途開拓が進む。モビロンの最大の特徴は熔融紡糸のため熱溶着が可能なこと。このためノンランパンスト向けで豊富な実績を持つが、最近ではフリーカットのインナーやスポーツウエアにも欠かせない弾性糸となった。エラストマーも熱溶着縫製に使うホットメルトフィルムとして活用される。

 これらに加えて力を入れているのが工業資材分野。特に電子部品などの梱包(こんぽう)資材として需要が高まる。半導体関連などの電子部品は導電材として微細な貴金属が大量に使用されている。ゴムに含まれる硫黄分が貴金属を硫化するため、こうした電子部品の梱包にはゴムが使用できない。近年、電子部品分野では製造から物流まであらゆる工程でサルファ(硫黄)フリー化の動きが強まる。このためゴム代替としてモビロンエラストマーの需要拡大が期待できる。

 モビロンは現在、徳島事業所(徳島市)で糸を月約100㌧、エラストマーを同約50㌧生産している。「樹脂段階から自社生産していることが強み」として、さらなる用途開拓に取り組む。オイコス、モビロン、モビロンエラストマーによる複合材料の開発にも取り組み、素材特性を生かしながら資材分野での用途開拓を進める。

(毎週月曜日に掲載)