中国アパレル・トップに聞く 次の一手(5)/錦泓時装集団「Vグラス」ディレクター 孟 祥菲 氏/伝統の現代風アレンジが強み

2019年07月30日(Tue曜日) 午後2時2分

 錦泓時装集団(旧称:維格娜絲時装)の高級レディース「Vグラス」は、中国の伝統工芸品を手掛けるグループ会社を生かしながら、高級化と若返りを同時に進めている。日本企業の生地の活用にも積極的だ。Vグラスの孟祥菲ディレクターに、これまでの歩みや今後の計画を聞いた。

(上海支局)

  ――社名をこのたび、ブランド名の維格娜絲(「Vグラス」の中国語名)から、錦泓時装集団に変更し、新たなスタートを切りました。

 当社は09年、Vグラスを立ち上げました。14年の上海証券取引所への上場を経て、15年伝統工芸品の研究、生産を手掛ける南京雲錦研究所を、翌年韓国のカジュアルブランド「ティニーウィニー」を買収。17年にはイタリア・ミラノでデザインセンターを立ち上げています。

 Vグラスは主力ラインのVグラスと、高級ラインの「Vグラス・スタジオ」があり、店舗数はVグラスが中国全土に約150店、Vグラス・スタジオはミラノと上海に各1店です。

  ――アパレル市況がさえません。Vグラスもこれまでの好調から一転、今年1~3月売上高は前年同期を下回りました。

 市況の減速の影響を受けているのは確かです。自分たちの強みを打ち出し、対応していきます。

 南京雲錦研究所の活用がその一つです。同社の(錦織などの)アーカイブから毎シーズン、ストーリーとデザインを選び、製品に落とし込んでいます。われわれのプリントデザインは全てオリジナルですが、これができるのも同社のアーカイブのおかげです。

  ――店舗数も伸び悩んでいますね。

 ここ数年、高級化を図りながら、メインターゲットの80後(80年代生まれ)の開拓のため、ブランドの若返りを図っています。高級店にふさわしくない店舗は閉鎖してきました。そのため、店舗数はこの2年、前年並みで推移しています。

  ――日本の生地の採用は。

 日本、イタリア、韓国品をメインに使っています。中でも日本品が多く、トリアセテートとウール生地が中心で、ほとんどが上海の日系生地商の備蓄品です。日本の生地商は開発力があり、製品がバラエティー豊かで、品質も安定していますね。

  ――今後の計画は。

 レディース市場は今後も細分化していくでしょう。いかに自分たちの個性を出し、ターゲットの顧客ニーズに応えていくかが勝負になります。今後も中国の伝統を現代風にアレンジするノウハウを強みにしていきます。