産資・不織布通信⑤

2019年08月05日(Mon曜日)

ヤギ 高い注目を数字に変える

 ヤギは、英国の高機能繊維メーカー、ロー・アンド・ボナー(L&B)の中国子会社である博納高性能材料〈常州〉と販売代理店契約を結び、スパンレイド不織布「コルバック」と3次元繊維構造体「エンカ」の拡販戦略を推進している。顧客反応は「かなり高い」(嘉納淳・営業第一本部第一部門第二事業部事業部長)と言い、時間は相応にかかるとみるが、中長期での拡販に自信を示す。

 コルバックは、芯にポリエステル、鞘にナイロンまたはポリプロピレンまたはポリエステルを使った複合紡糸不織布。優れた寸法安定性と熱強度、高い引っ張り強さと引き裂き抵抗、成形補助が特徴で、カーペットの1次基布、プリーツ加工フィルターの骨材、補強材などに使われる。

 同社によると一般的なスパンボンド不織布よりも強度が2割高く、同強度で軽量化できるなどのメリットがある。ナイロンの発色性を生かして意匠性の高い製品にも向くため裏方的な資材用途だけでなく見た目を重視するフラワーラッピングなどでも採用が多い。

 3次元立体構造体のエンカは、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエステルの3種から素材選定が可能で、形状はV字とピラミッドの二つ。体積に占める高い表面積、耐圧性、立体構造による空間維持に優れ、排水材、スペーサー、緩衝材、吸音材などに使われる。

 エンカでは新たなバージョンとして、熱可塑性エラストマーを樹脂に使った「エンケアー」の販売も始めた。従来のエンカに比べて軽量性と通気性を高めており、クッション材としてさまざまな用途を想定する。

 コルバック、エンカとも、以前は日本の別の企業が販売していたが、販路はあまり広がらなかった。L&Bがアジア市場での販売体制の再構築に着手する中で、「新領域の挑戦」という方針を掲げて幅広い販路を持つヤギと契約合意に至った。

 嘉納事業部長によると、販売開始から1年強を経た現在は、当初2人だった担当人員も5人にまで増えた。それだけ提案範囲が広く、将来性のある商材と言う。2019年4~6月の販売実績は前年同期比30%増で、通期でも50%増を見込む。「もっと(拡販の)スピードを上げる必要がある」と気を引き締めるが、昨年6月の不織布展「ANEX」や今年1月の「新機能性材料展」への出展、個別提案時の大きな反響が、着実に数字として表れている。

(毎週月曜日に掲載)