カイハラ〈タイランド〉/受注回復しフル生産続く/生産体制の現地化推進

2019年08月08日(Thu曜日) 午後3時36分

 【バンコク=泉克典】デニム製造国内最大手、カイハラ(広島県福山市)の海外製造拠点、カイハラ〈タイランド〉は、本格稼働から4期目の今期(2020年2月期)、フル生産を続けている。ロープ染色機1基が年初新たに稼働し、生産品種も充実。提案力向上を受けて、織布能力の増強も視野に入れてさらなる受注拡大を目指す。縫製拠点との近さを武器に欧州アパレル開拓にも取り組む。現地スタッフの教育体制も強化し、生産体制の「現地化」を推進する。

 同社は今上半期、グローバルSPAなど既存供給先の受注回復で生産量が前年同期比2桁%増となった。デニムトレンド退潮で勢いを欠いた昨年までと一転、レピア織機120台体制で月産100万メートルの生産能力・人員体制でフル生産が続く。現地でのブランド認知を根付かせるためのローカルアパレル開拓も、全生産量の約1割だが高級ゾーンでの採用が進むなど成果が表れている。

 染色機増設で生産品種の幅が広がったことも、今後の受注拡大を目指す上での強みとなる。1月から稼働しているロープ染色機は、省水・省エネの環境対応に加え、染色の仕様変更で新たな色味を実現する独自設計となっている。

 150万メートルまでの織布能力の増強も視野に入れながら、生産品種・提案力向上を生かして既に主力供給先にアプローチを始めており、次シーズン向けの受注拡大にも期待がかかる。バングラデシュなどの縫製拠点との近さから納期面で強みを発揮できる欧州向けも大きなターゲット。同国内の縫製企業と協議し、欧州アパレルへの提案を既に進めている。

 羽場英昭社長はこの受注状況が今後も続くとみて、「直近の課題は、まず月100万メートルをきっちり作ること。従業員の熟練次第でまだ生産性・品質の向上が可能」と言う。品質・生産管理などで日本同様の生産体制の確立に取り組む。

 工場長やゼネラルマネジャーを含む管理職でも現地スタッフへの転換が進み、16年の生産始動時に約300人の従業員中25人いた日本人スタッフは現在16人となった。今期中には10人程度となる。「2、3年以内に管理部門の5人程度を残して全て現地化する」と展望する。

 現地人従業員を日本の各工場へ派遣する人材教育体制の整備にも着手した。外国人技能実習制度のほか企業単独の研修の仕組みを整備するため、現在、送り出し機関の選定を進めている。来年には3、4人の幹部候補の若手生産スタッフを日本での研修に派遣する。同社のレベル向上が目的だが、日本国内の人手不足進行も見据え、両国間でフレキシブルに人材を配置できる体制づくりを目指す。