東海産地

2019年08月09日(Fri曜日)

多種多様な品目を生産

逆風にあらがい活路みいだす

 東海産地は愛知県の尾州、尾北、三河、三州、知多、静岡県の遠州、天龍社といった産地を含む。素材は綿やウール、麻などの天然繊維が中心で、一部でポリエステルなどの合繊も扱う。用途もファッション衣料から寝具寝装品、カーテン、産業資材など多岐にわたっており、多種多様な産地が集積している。

 尾州や遠州、天龍社はファッション衣料が中心で、尾北や三州、知多は一部で衣料を手掛けるものの、産業資材向けの織物を生産する企業が多い。三河は、カーテン地や多重ガーゼを主な生産品目とする。

 いずれの産地もピーク時と比べて10分の1ほどに規模が縮小している。中国などの海外からの安価な流入品で打撃を受け、生産拠点が海外へ移った。さらに、近年では少子高齢化による後継者不足、人材確保難などにより産地は疲弊している。

 それに追い打ちを掛けるように商況も良くない。特にファッション衣料を手掛ける産地は暖冬や長雨といった外部要因により、店頭販売の不振につながり受注は芳しくない。また、耐久性に優れる合繊の台頭によって買い替え需要が減り、天然繊維を中心に扱う東海産地にとっては逆風だ。

 そうした状況の中、遠州では新たに販路を開拓する動きが見られる。天然繊維を得意とする産元は既存のファッション衣料だけでなく、異業種との取り組みを深化。天然繊維の特性を生かし、産業資材の分野にも販路を広げている。別の産元はファッション衣料を扱うが、その売り先を変えることで安定的に受注を得るようになった。

 一方で産業資材向けを手掛ける産地では設備投資が進んでいる。最新鋭の織機への更新をはじめ、サイジング機導入を進める織布企業も見られる。生産性の向上に加えて、協力工場の高齢化による廃業などを見据え、内製化を推進している。

 ただ、多くの企業に共通する懸案事項もある。染料やウールをはじめとした原材料費に加え、原燃料費、物流費といったコスト上昇だ。特に染料の高騰は染工場にとっては死活問題。中国の環境規制に端を発しており、ここ数年で染料は2~3倍、種類によっては4倍値上がりした染料もあるとされる。

 染工場としても加工料金の改定を進めてはいるが、それに追い付かないほど染料価格は上昇し続けている。受注減も重なり染工場は苦境に立たされている。