モリリン〈タイランド〉/タイ内販に加え外―外も拡大/立地生かすコンバーティング加速

2019年08月13日(Tue曜日) 午後3時36分

 【バンコク=泉克典】モリリンのタイ法人、モリリン〈タイランド〉は今後、東南アジア・西アジア地域の要となるタイの立地・通商条件を生かしたコンバーティング事業拡大を加速させる。日本向けではグループのサプライチェーンにつなぐ高付加価値原料の開発を加速させ、ローカル市場、外―外ビジネスの拡大も志向する。タイ内販売では、合繊糸の取り扱いも今秋始める。原料調達先であるインドに対しても、既存のエージェントのネットワークを活用しながら販売ルート開拓を探る。

 同社は現在、日本向け糸・わた販売とタイ内販が2本柱。前期(2018年12月期)は、日本向けのファッション衣料用糸販売が、日本のアパレル市況低迷とバーツ高による採算悪化で苦戦した。今期に入り販売量は持ち直したが、バーツ高による利益圧迫が続く。状況打開のため昨年から本格的にタイ内販を拡大。売上高に占める内販比率は現在50%を超え、日本向けの落ち込みをある程度カバーした。これにより「今期は過去最高売上高を更新する見込み」(内藤暁伸社長)と言う。

 タイ内販ではタイとインドの自由貿易協定を生かし、インド産綿糸をタイの中小テキスタイルメーカーに販売するビジネスが拡大。早ければ9、10月にポリエステル仮撚り加工糸の取り扱いも始める。

 こうした販路開拓には、原料調達で協力関係にあるインド商ネットワークの寄与も大きい。このネットワークを今後、「仕入れだけでなく販売にも活用していくことで、主にインド市場をターゲットに外―外ビジネス拡大」を目指す。例えば、消臭リヨセル「デオセル」など日本独自の原料のインドでの販売を進める。「将来的には日本・タイ・インドの販売比率を同程度まで持っていきたい」と言う。

 日本向けは引き続き、立地を生かした独自性の高い原料開発を継続する。目下、タオル向けに開発した中長綿100%のリング紡績糸「秒速糸(仮称)」の衣料への展開に注力する。吸水速乾性とソフトさを兼備し、大手SPAでタオル用糸に既に採用された。綿糸は通常、吸水性を高めるとソフトさが失われるが、秒速糸は30番手天竺編みでもアパレル基準をクリアする柔らかさを持つ。メンズに加えレディースやキッズへも展開できる汎用性も併せ持つ。グループ内の製品オペレーションを組み立て、21春夏向けで提案を進める。

 このほか、UVカット機能も持つペルー産乾式アクリルわたをインドで綿と混紡した「アンデスコット」、帝人フロンティアの四つ山断面ポリエステルとレーヨンとタイ国内で撚糸し酷暑対応素材として究極の接触冷感をうたう「アルティメイト・クール」のサンプルワークも進めている。

 内藤社長は「インドと中国に等距離にある上に、経済的自由度や通商条件が整うタイは“モノ作りにおけるハブ機能”では、他国にない優位性を持つ。これをさらに生かしていきたい」と話す。