メーカー別 繊維ニュース

紡績の開発最前線(上)/繊維と電器、ITが融合

2019年08月21日(Wed曜日) 午後3時34分

 世界的にESG(環境・社会・ガバナンス)やSDGs(持続可能な開発目標)への要求が高まり、繊維産業でもサステイナビリティー(持続可能性)への関心が高まる近年、天然繊維を扱う紡績の役割は一段と大きくなった。社会構造の変化に伴うニーズの変化も新たな機能要求を生み出す。こうした変化に応える紡績の開発トレンドを追った。

 紡績のテキスタイル事業で大きなウエートを占めるのがユニフォーム地。近年、ユニフォーム分野では繊維の機能に加えて電器やITとの融合が進む。その典型が電動ファン(EF)付きウエアの登場だろう。ここに来てEFウエアに最適化したユニフォーム地の提案が加速する。

 シキボウはこれまでも、校倉造り構造織り組織による高通気生地「アゼック」で高い評価を得てきた。これに加え、メントール加工による涼感生地「アイスキープ」をEFウエアの中に着用するインナーやTシャツ向けとして提案する。編み組織の工夫で通気性を高めたアゼックニットも用意し、こちらにも同様の加工を施すことが可能となる。

 EFウエアでは衣服内を通過した空気が衣服外に排出されるため、汗などの臭気を周囲に拡散する可能性がある。このため消臭加工への注目も高い。クラボウは、業界最高水準の消臭機能“強消臭”をうたう「ストロングデオ」を開発した。消臭加工ではシキボウも「スーパーアニエール」をEFウエア向けで提案を強化している。

 ユニフォーム分野でもう一つ注目されるのが、スマートウエアによる生体モニタリング技術の応用だろう。こちらも、熱中症対策として普及に向けた動きが加速する。クラボウの熱中症対策スマート衣料・管理システム「スマートフィット」は2018年に採用企業数が約20社に達した。人手不足や高齢労働者の増加など日本の労働現場が抱える課題を解決するソリューションとして、その存在が着実に認知され始めている。