日本企業「絶対に無理」/ジョコ大統領の遷都構想/現地の反応も冷ややか

2019年08月21日(Wed曜日) 午後3時54分

 【ジャカルタ=橋本学】今週からジャカルタ市内に入った。街の至るところでインドネシアの国旗がはためく。大通りの中央分離帯、ホテル、高層ビルの入り口、百貨店の周辺、歩道橋……。

 その理由は、17日がインドネシア独立記念日だったから。宿泊しているホテルの従業員に聞けば、今週中は国旗の掲揚が続くようだ。独立宣言から74年がたち、首都の今に思いを巡らせる人も多いことだろう。

 これも計算に入れてか、ジョコ・ウィドド大統領が16日、首都移転構想を正式に発表した。ジャカルタから海を越えて、熱帯雨林生い茂る、絶滅危惧種のオランウータンの楽園、カリマンタン島に遷都するという。

 日本企業の間でも話題となっている。「絶対に無理だと思う」「今までジャカルタに投資してきたのはなんだったんだ」と、日系繊維企業の社長らは一様に苦笑する。国民や現地メディアの視線も冷ややか。

 実は、移転の夢が過去にも真剣に検討されては露と消えてきたという経緯もある。国民に希望を与えるのも政治家の仕事だから、この構想が大統領の口から語られるジャカルタは、自然豊かで静かな土地にいち早く引っ越したいと市民に夢想させるほど住みづらい街なのだろうか。