紡績の開発最前線(中)

2019年08月22日(Thu曜日)

綿の素晴らしさ、改めて

 綿紡績にとってコットンの魅力を広く打ち出すことは永遠の課題となる。近年、世界的にサステイナビリティー(持続可能性)への要求が高まる中、最も一般的な天然繊維である綿を改めて訴求する好機となる。そのための開発が継続的に行われている。

 綿の用途として今でも無視できない規模があるのがドレスシャツ。しかし、洗濯時の形態安定性などイージーケアの面からポリエステル混のシェアが高まっている。こうした中、綿100%の次世代形態安定シャツとして気を吐いているのが日清紡テキスタイルの「アポロコット」。シャツ市況が低調な中でも堅調な販売が続く。

 ドレスシャツは近年、東洋紡STCの「Zシャツ」に代表される合繊製ニットシャツがイージーケア性の面で人気を集めており、一種の素材転換の動きすらある。このため日清紡テキスタイルはアポロコットのニットシャツバージョンも開発するなど対抗策を進めた。

 綿の魅力を高めるためには機能のバージョンアップも欠かせない。綿100%への機能加工に力を入れているのが富士紡ホールディングス。吸水速乾機能とわきが対策抗菌防臭機能を併せ持つニット生地「デオスカイ」が注目される。吸水速乾加工と抗菌防臭加工を同時に付与するのは加工剤の相性などの点から極めて難度が高いが、フジボウテキスタイルの和歌山工場(和歌山市)が持つ加工技術でクリアした。

 良質な米綿使いの証である「コットンUSA」マークの活用に改めて力を入れる動きもある。ダイワボウノイはカジュアル分野を中心にコットンUSAマーク対応の商品で堅調な受注を得ている。シキボウも改めて、コットンUSAマークの活用を進める戦略を明確にした。科学的精密農法で栽培する米綿は「世界で最もサステイナブルな天然繊維」――とマークを展開している国際綿花評議会(CCI)が打ち出すことも追い風にしたい。