強まるサステ潮流(下)

2019年08月22日(Thu曜日)

高潔さと連携が大切

 コットンは種をまく前に通常、化学肥料、防カビ剤、殺虫剤の散布を行い、雑草が生えてくると除草剤、害虫がつくと殺虫剤、実がはじけると落葉剤というように大量の薬剤、化学肥料を使う。綿畑は世界の耕作地の2・5%でしかないのに、世界の殺虫剤の約16%、農薬全体の7%を使用しているそうだ。

 GOTS(グローバル・オーガニック・テキスタイル・スタンダード)は発がん性物質、アレルギーを起こす薬品を全て禁止し、染料も厳しく制限する。遺伝子組み換えの種子も使えない。公正な価格での買い上げや買い取りの保証。子供たちの教育の保証など農民の暮らしの向上にも務めている。厳しく制限されたオーガニックコットンの生産量は、綿の全生産量の1%未満でしかない。

 ボット・ジュゼッペ社は、発がん性が懸念されるフッ素を使用しない製品に付けるフルオロフリーマークを取得する。染色のカラーも通常使用する60色の内25色がサステイナビリティー(持続可能性)として認められており、サステイナビリティーに取り組むコレクションはこの25色の組み合わせで染めていると話した。

 BCI(ベター・コットン・イニシアティブ)やEMAS(EU環境管理監査制度)にも羊の飼育環境や酪農家の生活の保障などGOTSと同じような厳格な規則がある。サステイナビリティーが進んでいる欧州では必ずトレーサビリティー(追跡可能性)が語られる。

 レダ社はEMASの基準に添った長期計画で、ニュージーランドで羊を育てている。ボット・ジュゼッペ社は豪州にあるコンギ農場の4代目フィル氏と長い付き合いで契約。エジプトに工場が二つあるアルビーニ社は、現地でテキスタイルの学校をつくり、15~17歳の子供たちに仕事を教えて、貧しい国へ知識の援助を広げている。

 太陽光パネルや水力発電を使い、残ったエネルギーを社員の安全性や環境設備の改善に向けるところもある。サステイナビリティーは社員やその家族に対しても肝要。ZDHC(有害科学物質排出ゼロ)協会の基準に沿うということは、製品の安全性はもちろん、社員の安全を何よりも重要視したものだ。

 日本でもサステイナビリティーへの関心は高まりつつあり、何からどう取り組むべきかの質問や相談も増えている。社内の無駄を整理して廃棄物を出さない。真の循環型経済に取り組むことが第一歩だと思う。さまざまな認証は一社では取れないことも多い。認証を取るためのグループ作りと、高潔なトレーサビリティー精神が重要だ。

(おわり、インプレス代表 川上淑子)