明日へ これが我が社の生きる道 染色加工編(32)

2019年08月23日(Fri曜日)

日本形染 生産工程見直し生産性高める

 綿を中心に捺染を手掛ける日本形染(浜松市)は創業100年以上の老舗メーカーだ。自社の加工技術の開発と社員のモチベーションアップを図るため、近年は受託加工だけでなく自販も展開する。市況の悪化から受注は伸び悩んでおり、染料高騰への対応も課題。生産工程の見直しなど地道な改革を進め生産性を高めていく。

 1900年4月創業で、当初から捺染を手掛けてきた。42年にローラー捺染機が15台規模となり、戦災により工場の半分が焼失したものの、戦後は新たな設備の導入や工場の新設を進めてきた。設備の機械化が遅れがちだった染色業界にあって、いち早くハイテクを取り入れた。

 展示会「プレミアム・テキスタイル・ジャパン」にも3年前から出展して、独自加工を施した生地を出品。最近では「オーガンジーワッフル」シリーズの加工が人気を得ている。綿に特殊な樹脂をプリントすることにより、プリントされた柄が透明感を持ち、塩縮加工をプラスすることにより立体感が生まれる。

 さらに、遠州産地の生地デザイナーとコラボし、“オール遠州”を打ち出した生地も提案し、新規顧客やリピーターも徐々に増えつつある。全社売上高に占める自販の割合はまだ低いが、廣田祐司社長(58)は「前年対比で増やしていければ。末端の情報を知ることもでき、本業である染色加工に生かしていきたい」と語る。

 現況は切り売り向けの販売不振で受注状況は芳しくない上に染料高騰が利益を圧迫。染料は以前と比べて大幅に上昇しており、「加工料金の改定が追い付けないぐらい上がり続けているのが現状だ」と明かす。

 そのため、今後は生産工程の見直しを図り、今まで以上に生産性を向上させることに力を入れる。柄を変える時の段取りの時間を短縮したり、品質チェックの方法を変えたりするなど、各工程の細かい部分での見直しを実践し効率化を進める。

 2020年4月期の業績は微減収微減益の見通し。「厳しい一年だが、これらの改革が実を結べば良い結果につながっていくだろう。入口から出口までの生産管理をきちんと見直していきたい」と意気込む。

 サステイナビリティー(持続可能性)への取り組みも視野に入れる。環境保護という観点だけでなく、捺染という技術を伝承することで会社の持続性を確立する。遠州では生地商社が減少し、顧客が捺染について知るすべがなくなってきている。「捺染のメリットはもちろん、デメリットも含めて伝えていく」

社名:日本形染株式会社

本社:浜松市中区船越町26-1

代表者:廣田 祐司

主要設備:フラットスクリーン捺染機6台、ロータリースクリーン捺染機3台、連続精練漂白機1台、シルケット機1台、スチーマー2台、水洗機3台、ピンテンター4台、フリクションカレンダー1台、サンシュリンカー1台、インクジェットプリンター2台

月産能力:170万㍍

従業員数:151人

(毎週金曜日に掲載)