産資・不織布通信⑦

2019年08月26日(Mon曜日)

中野産業 パンストを工業用フィルターに

 パンティーストッキング(パンスト)製造の中野産業(大阪府貝塚市)は、時代の変化に対応し生産商品を変えてきた。ケチャップやフルーツ缶詰を作った時代もあるが、昭和後半にシームレスストッキング製造に転換した。さらにそのストッキングを工業用フィルターに転用することで新分野を開拓している。

 応用する分野は、工業用ろ過器フィルターとストレーナー(液体から固形成分を取り除くために用いる網状器具)パイプ用伸縮フィルターの2分野。

 売上高の主力はパンスト。編み立てから染色までの一貫体制を強みとする。時代に合わせて新商品を開発するのも同社の“DNA”。パンスト納入先は日本を代表する一流企業。そうした人脈から工業用フィルターに関する問い合わせも舞い込む。

 クーラント装置関連機器の製作・販売や切粉処理装置の設計・製作を行うユメックス(愛知県豊田市)は、そのパンスト素材を微細切粉ろ過器「アルポンフィルター」に採用し成果を上げている。「アルポンフィルター納入はトヨタ自動車、デンソー、アイシン精機、豊田自動織機など一流企業各社に広がった」(中野産業の中野義典社長)

 アルポンフィルターは、アルミ、鉄、鋳物、非鉄金属の処理切りくずをろ過する。タンク内の微細切りくず堆積による腐敗を防止しクーラント液寿命を延長する。ろ布交換は3分ででき、再利用も可能。今まで捕捉できなかった微細切りくずが捕捉できるため、センタースルークーラントの切粉詰まりによる工具破損や着座不良によるトラブルを抑制し、加工不良品の大幅低減につなげる。ケースが透明なので目詰まりしたフィルターを目視で確認できる。

 パンストを使うことで生まれる特徴がある。細い糸が束になって1本の糸を形成しているためフィルターに浸透性が生まれ、液が通りやすくなる。ろ過を進めるとパンストが伸びた状態になる。目詰まりした分だけ縦方向に伸びる。縦方向に伸びてもろ過精度は変わらない。クーラント液のロングライフ化ができるのはパンスト素材ならではの特徴だとする。

 中期戦略として、海外の日系自動車工場に向けた輸出を志向する。取り組み先商社が上海の展示会に出品し、反応が出てきた。大阪府の助成金も得ながら国際特許取得を進める。

(毎週月曜日に掲載)