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シキボウ/全拠点で高付加価値糸/中東民族衣装は縫製品に参入

2019年09月02日(Mon曜日) 午後3時58分

 シキボウは海外生産拠点で高付加価値糸の生産・販売を拡大することにより繊維事業の業績回復を図る。中東民族衣装用織物も市況に改善の兆しが見えてきたことから、従来の織物輸出に加えて縫製品への参入を進める。加藤守上席執行役員繊維部門長は「通期業績で中期経営計画の目標値に迫りたい」と話す。

 繊維事業は2019年度第1四半期(4~6月期)決算で営業損失となるなど苦戦した。このため加藤上席執行役員は今後の巻き返し策として糸販売のグローバル化、中東民族衣装用途の改善、ユニフォームや寝装の拡大を挙げる。

 特に糸販売は「国内工場だけでなく海外でも全ての拠点で高付加価値糸の生産・販売を拡大させる」と話す。インドネシア子会社のメルテックスはポリエステル綿混紡糸が主力だが、最近では2層構造糸や長短複合糸、ベトナムの協力工場でも特殊精紡交撚糸「デュアルアクション」や強撚糸、アクリル綿混紡糸などの生産を拡大した。ASEAN域内のテキスタイルメーカーやアパレルに向けてこれら高付加価値糸の提案を強化する。

 中東民族衣装用織物も市況に改善の兆しが見えてきた。「流通在庫の減少で荷動きが活発化しつつある。4~6月も前年同期を上回る受注を得た。7月以降もこの流れが続いている」と言う。このため追加受注の獲得を進める。仕立てが主流だった中東民族衣装でも既製服のシェアが高まっていることから、メルテックスが生産する生地を活用し、縫製品への参入も目指す。

 そのほか、ユニフォームはニット生地の活用や企業別注を含めて縫製品納入の拡大に取り組む。メルテックスの生地をインドネシアやベトナムで縫製するオペレーションの構築を進める。

 寝装はリネンサプライ用途に力を入れる。従来は商社やリネンサプライ業者への提案が中心だったが、加えてホテルなどエンドユーザーへの提案を強化する。特に業務用洗濯に対応した顔料プリント生地「アペニノ」を重点提案する。