合同展「センターステージ」開幕/香港デザイナーの実力が向上/官民一体で韓国勢に存在感

2019年09月06日(Fri曜日) 午後3時40分

 【香港=市川重人】香港貿易発展局が主催するファッションの合同展「センターステージ」が4日、開幕した。香港島の中心部にある香港コンベンション&エキシビションセンターを会場に、23カ国・地域からファッションを軸に計235ブランドが参加。センターステージは今年で4回目の開催になる。会期は7日まで。

 初日は、米国とアジアで注目されるファッションデザイナー2組がショーを行った。パリの有力メゾンでキャリアを積み、若手の成長株として認知されている「アナイス・ジョーダン」と、ニューヨークコレクションで活躍する「アルチュザラ」が20プレスプリングコレクションを披露。ロングシルエットのドレスとボリューム感のあるアウターを打ち出したアナイス・ジョーダンと、流れるような軽いドレス群を発表したアルチュザラが、香港のファッション関係者にその実力を見せつけた。

 今回は、海外の出展者が124ブランドとなり、香港ブランドの数を上回った。中でも韓国ブランドが43ブランドと他国を圧倒している。韓国は、貿易振興の政府機関KOTRA(大韓貿易投資振興公社)が23ブランドのデジタルギャラリーを設営したほか、民間企業のショールームが参加するなど、積極的なスタンスで出展。KOTRAのデジタルギャラリーは、韓国政府が制作したデザイナーとバイヤーをオンライン上で結ぶプラットフォームサイトで、バイヤーはデザインや素材、価格、キャリア経験などを閲覧し、デザイナーが認めると取引もできる。PR活動や貿易上の煩雑な手続きはKOTRAが担い、早い段階でのデザイナーの自立を促す。

 香港ブランドでは、若手デザイナーの先鋭的なファッションショーや欧米、東南アジアのバイヤーと商談を実施する中堅デザイナーの姿が目立った。香港政府に対する抗議活動が長期化する中で、ある香港人デザイナーは「デモの影響はあると思う。まだ初日だが、中国人バイヤーの数は減っている」と話す。一方、香港ブランドを後押しする香港貿易発展局でば、若手デザイナーの実力向上や知名度アップに向けた戦略を強化し、欧米、日本、ASEANなどで香港ブランドの「プライオリティーを上げる」と意気込む。

 期間中は約20本のファッションショーや若手デザイナーを対象にしたファッションコンテストも併催。センターステージという名称通り、アジアのファッション関係者を香港に呼び込み、ビジネスのセンターとして機能させる。4日間の会期で9千人(前回は8700人が来場)の来場を見込む。

〈デモの影響は限定的〉

 政府への抗議活動が続く香港では4日、香港警察が空港付近のアクセスを制限したため、デモ隊との衝突は回避された。4日時点で公園や地下鉄などで散発的に抗議活動が行われ、学生と警察がぶつかり合うシーンもあったが、センターステージに訪れたビジネス客に大きな影響は出ていない。同日夜には、政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官が大規模デモの要因となった「逃亡犯条例」改正案の撤回を正式に表明した。

 長期化する事態の収束を図ったが、香港の会員制交流サイト(SNS)を見ると、市民の要求が増えているのが現状で「デモはやめない」といった声もある。市民や学生の出方次第では、週末に大規模なデモがあることも予想される。現在も状況は不透明で、センターステージの来場者には、デモ隊が集まりやすい夜間の空港や地下鉄、広場などに行かないように注意している。