産資・不織布通信⑨

2019年09月09日(Mon曜日)

明大 4軸織物の需要に広がり

 特殊織物製造の明大(岡山県倉敷市)は、小河原敏嗣社長の祖父が1963年に設立し、ベルトスリング(産業用のつり下げベルト)の縫製や撚糸も手掛ける。89年に世界で初めて経糸・緯糸の2軸に加えて斜め方向に2本の糸が交差する4軸織物を開発した。提案型企業として織機の改造には定評があり、4軸織物も、70年代に採算性が高いとう椅子の手編みを自動化することを目指したことがきっかけだ。

 寸法安定性と耐引き裂き特性に優れ、物性面以外にデザイン面でも特徴を持つのが4軸織物「テトラス」。本格的な販売は2004年から。メッシュタイプを開発し量産機を立ち上げ、テニスラケットの部品に採用され初めて市場に出た。同年、商標も登録。

 その後、ゴルフシャフト、卓球やバドミントンのラケットなどレジャーのほか、耐震補強材で受注を獲得した。直近では、大手ブランドのスポーツシューズのアッパー向けで本格採用が決まり、6月に専用織機1台を増設し4台とした(1台で最大月産3千㍍)。

 ポリエステルを基本にカーボン、アラミド、ガラスなど多様な繊維を使用でき、異種繊維混合も可能なことから幅広い用途への応用が期待できる。ただ、売り上げに占める現状の比率は小さいため、繊維商社などから染色や樹脂などの2次加工業や産業機械工業などの紹介を受け、売り先を広げている。

 繊維商社との連携は、海外の販路拡大にも寄与している。数年前にはある繊維商社がフランス・パリの国際服地見本市「プルミエール・ヴィジョン」にテトラスを出展し、デザイナーやファッションブランドとのつながりも生まれた。

 提案力を生かしてニーズをくみ取り、素材や色の組み合わせを変えてサンプル提出に励んでいる。特殊織物であるため量産のロットは100~200㍍を想定。レジャー向けや産業資材向けの納品につながり、4台の専用織機はフル稼働している。

(毎週月曜日に掲載)