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東レの中国繊維事業/高度化進め市場ニーズに対応/今年前半は減収減益

2019年09月09日(Mon曜日) 午前11時29分

 【上海支局】東レの中国繊維事業の業績は今年前半、計画並みだったものの、前年同期に比べ減収減益となった。紙おむつ用不織布の苦戦などが影響した。アパレル向け素材事業では、顧客が差別化素材を求めるようになり、商機が拡大している。素材の高度化を進め、市場開拓を急ぐ。

 紙おむつ用不織布は、おむつの生産過剰などにより、2018年夏から市場が変調し、メーカーが生産調整に入った影響を受けている。新車販売の減速が続く自動車用途も、電気自動車(EV)や高級車種向けのスエード調人工皮革は引き続き好調だが、東麗酒伊織染〈南通〉(TSD)のエアバッグ事業は販売量が落ちている。

 アパレル市場では、カジュアルブランドが落ち込む半面、スポーツブランドは好調を維持する。TSDなどの販売も同様で、カジュアル向けは芳しくないが、スポーツ向けは堅調に推移する。

 アパレルブランドの感度が上がり、原糸、原綿から差別化した新しい素材を求めるようになっている。「TSDや東麗国際貿易〈中国〉(TICH)にとって、これはチャンスだ。2年前から東麗合成繊維〈南通〉(TFNL)が原糸の特品化率を高めてきたが、市場ニーズと合致してきた」と首藤和彦・在中国東レ代表は話す。

 先行きが不透明な米中貿易摩擦の繊維事業への直接的影響は、今のところない。ただ「中国での個人消費の低迷や、米国の顧客を持つTSDへの影響を心配している。米国顧客が縫製地のASEAN地域で生地調達を増やす可能性が高い」(首藤代表)。そのため、QRの強化に取り組んでいく。