インタビュー 逆境の中国生産~わが社の生きる道~遼寧省編(中)/北朝鮮生産を模索するも/丹東市佳鋒紡織 孫 元平 董事長

2019年09月11日(Wed曜日) 午後4時21分

  ――貴社は丹東で唯一、亜麻(リネン)生地の製造販売を手掛けています。

 中国で欧州産原料を使って紡績したリネン糸を仕入れ、当社の織布工場で生機を作っています。染色加工は外注です。

 工場の敷地面積は約1万平方メートル、従業員数は120人で、年間生産能力は500万メートルです。

  ――販売先と価格帯は。

 売り上げの6割がイタリアの貿易会社向け、4割が中国の貿易会社向けです。中国の貿易会社も、われわれの製品を海外に輸出しています。

 製品は全て服地で、メインは1メートル26元程度の中価格帯です。もっとも、顧客のニーズに対応し、価格訴求品から高級品まで柔軟に生産できます。

  ――麻が世界的にトレンドになっていますが、商況はどうですか。

 イタリア市場でも麻製品がはやっており、昨年までは良かった。ただ、今年は芳しくありません。

  ――人手不足などで中国での工場経営の難度が高まっていますね。

 丹東でも10年近く前から、人手不足や人件費の高騰などにより環境が厳しくなっています。こうした中、2011年から約7年間、丹東に隣接する北朝鮮・新義州市で紡績工場を経営しました。いずれは丹東の織布工場も北朝鮮に移転するつもりでした。ところが、第2期工場を設けようとしていた17年9月、国連安全保障理事会による北朝鮮制裁決議が出され、撤退を余儀なくされました。

  ――北朝鮮での工場経営は順調だったのですか。

 はい。北朝鮮の工員は厳しい作業をいとわず、よく働きました。誤解されがちですが、福利厚生は中国と大差はありませんでした。日曜日には工員を必ず休ませていました。

 北朝鮮で紡績に再挑戦したいという思いはありますが、こればっかりは国連や政府が決めることですから、どうなるか分かりません。