明日へ これが我が社の生きる道 染色加工編(35)

2019年09月13日(Fri曜日)

尾張整染 車内装材加工の中核担う

 尾州は毛織物産地としてよく知られるが、その尾州産地にあって、合繊織・編み物の染色加工、しかもカーシート地など車両内装材を主力とする異質な存在が尾張整染(愛知県一宮市)だ。本社工場に加え、石川工場(石川県能美市)を持ち、車両内装材で培った技術を武器に、他分野の開拓にも力を入れる。

 同社は1971年に設立。帝人テクロス(愛知県稲沢市)の子会社に当たる。その帝人テクロスは現在、住江織物と帝人フロンティアの合弁会社であるスミノエテイジンテクノ(2009年設立、大阪市中央区)の子会社。尾張整染は11年に長繊維染色の旧帝人ネステックスの事業を継承し、石川工場として運営。住江織物の車両内装材事業の一翼を担う。

 本社工場はカーシート地をはじめとする車両内装材、産業資材、インテリアと多岐にわたる用途に対応し、石川工場は車両内装材を中心にして、起毛加工、プリントなどを得意とする。

 車両内装材で培った開発力とコスト競争力、QRに定評があるが、中島俊広取締役車輌インテリア事業部長は20年3月期を「車両内装材の染色加工場として、業界の中核を担う足場を作る一年」と位置付け、業界内で車両内装材の集約基地として認められる存在を目指す考え。そして「発注先から当社なら何とかしてくれるといわれるようにしたい」と言う。

 そのために人材育成の強化に引き続き取り組むとともに、染色機の更新をはじめとする設備投資も順次行う。

 自動車内装材以外でもさまざまな案件が持ち込まれる。その背景には同社の高い技術開発力がある。それを表すのが、2年に1度自社で開催する「加工技術プレゼンテーション」。9月末まで開催中で、今回が6回目になる。「ネクスト・フェーズ~次の10年へ~」をテーマに、47の新加工を打ち出している。

 新加工の「レヴクロス」は基布の毛方向をライン状で逆転させ、プリント柄を変化させたもの。「クミーイル くおいお」は本革のようなしっとり感としなやかさを実現する。「デコレーション ステッチ」はプリントでステッチを表現。「ノヴェル パーツ」は織物でスエード調に仕上げ、ストレッチ性も付与した。

 その他、本革調で通気性と伸縮性を与えた「ランボス ビヨン」やインクジェット捺染と特殊加工を組み合わせて木目調、光沢感を強めた「ウーディッシュ」、黒原着割繊糸を使い、特殊加工を施したスエードタイプなどを提案する。

 同展は自動車以外にインテリア、家電、衣料などさまざまな業種から来場しており、これを通じて、新規顧客の開拓に結び付けている。

社名:尾張整染株式会社

本社:愛知県一宮市高畑町2-25

代表者:小川 英二

主要設備:本社工場=液流染色機1チューブ2台、2チューブ13台、石川工場=液流染色機2チューブ17台など。

生産能力:本社工場、石川工場合わせて月産230万㍍

従業員:234人

(毎週金曜日に掲載)