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豊島/持続的収益確保へ手立て/合繊・産資はさらに強化

2019年09月17日(Tue曜日) 午後4時45分

 豊島は「持続的に収益を確保できる体制を確立する」(豊島半七社長)ことに取り組み、2020年6月期は単体売上高2千億円(19年6月期は2122億円)、経常利益60億円(43億円)の達成を目指す。

 19年6月期は前期比1・2%増収も営業利益40・4%減、経常利益31・0%減、純利益19・3%減。4期連続の増収ながら、2期連続の経常減益だった。今期は「綿花相場の下落の影響がある」ため、減収計画ながら、18年6月期まで7期連続で計上した経常利益60億円以上を確保するため、さまざまな手立てを講じる。

 繊維素材部門は合繊・産業資材、副資材の商権拡大とリネン・スポーツ分野の開拓、海外販売での顧客拡大を目指す。前期より取り組む合繊・産資の商権拡大は国内だけでなく、海外も拡大しており、さらに強化する。素材の海外顧客の拡大に向けては海外展への出展も積極化しており、成果に結び付けていく。

 繊維製品部門では顧客、消費者への価値提供に注力するとともに、雑貨など異業種への販売促進を深耕しながら生産背景を安定化させる。「従来手法ではなく、顧客の変化に対応した提案」により価格競争からの脱却を図る。

 CVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル・ファンド)の出資は現在14社(海外4社)。前期は6社への出資を行った。事業投資も行っており、その一つである再生ポリエステル事業の日本環境設計(東京都千代田区)は実ビジネスとして先行。さらに健康などで支援する事業投資も行っており「2件は20年に製品化したい」と考える。同時にさらなる投資も検討中で、その半分は海外と言う。

 豊島社長はSDGs(持続可能な開発目標)やサステイナビリティー(持続可能性)への対応も重要課題に挙げ「真に必要とされるものは何かを見極め、全従業員が共通認識できる体制を2~3カ月内に構築し、ビジネスにつなげる。同時に企業としての社会貢献も果たしていく」と語る。

〈微増収も2桁%の減益〉

 豊島の2019年6月期単体決算は売上高2122億円(前期比1・2%増)、営業利益30億円(40・4%減)、経常利益43億円(31・0%減)、純利益32億円(19・3%減)で、微増収ながらも利益は2桁%減だった。

 繊維素材部門は国内市場の縮小に加え、物流コストなど仕入れ価格の上昇分を転嫁できず、減収減益を強いられた。品種別では綿花は中国の需要減速と米中貿易摩擦による相場下落で減収減益。原糸は三国間貿易と国内販売の拡大により増収だった。特に合繊で国内外を含め産業資材向けが好調だったことが奏功したものの、利益面は苦戦した。生機・加工織物は主力の切り売りや寝装が低調だったほか、輸出の伸び悩みに加え、価格競争の激化で粗利率が悪化した。

 繊維製品部門はファッション衣料で暖冬や天候不順といった季節要因が影響したが、生活雑貨分野などの異業種への拡大が進み微増収だった。ただ、生産コストの上昇分を転嫁しきれず大幅な減益となった。