担当者に聞くユニフォーム最前線①

2019年09月19日(Thu曜日)

クラボウ 繊維事業部ユニフォーム部長兼東京支社東京ユニフォーム部長 三和 二郎 氏

素材だけでは売れない時代に

 東京オリンピックや周年企画を契機に企業ユニフォームの刷新が増えている。SDGs(持続的な開発目標)への対応など新たなニーズも浮上する。素材メーカー・商社の担当者にユニフォーム事業の最前線を聞く。

  ――ユニフォーム事業の2019年度上半期(4~9月)の商況は。

 計画は達成していますが、前年同期比では若干の減収減益で推移しています。昨年はアパレルもかなり積極的な作り込みをしたようなので、その調整があるようです。好材料としては東京オリンピックを契機とした需要が盛り上がってきました。ワーキングは企業別注ユニフォームが堅調。周年企画などでユニフォームをリニューアルするケースが増えています。商品傾向ではストレッチ素材のニーズが圧倒的となり、定番化しています。「風織」など高通気生地の販売も増加傾向。酷暑対策の商品は今後も増えていくでしょう。電動ファン付きウエア向けの生地販売が順調なのも同様の理由です。

  ――ユニフォームを巡る環境をどのように分析しますか。

 素材の力だけでは売れない時代になっています。より具体的に市場ニーズに合致した商品の開発・提案が欠かせません。そのためにはアパレルや小売りとの連携を強め、さらにエンドユーザーの声を商品開発に反映させる仕組みが必要です。例えば当社は熱中症対策のスマート衣料・システム「スマートフィット」の提案で建設会社などを回っていますが、ユニフォーム部の担当者も同行し、現場のニーズをヒアリングしています。それが消臭加工「ストロングデオ」や防汚加工「ソイルスウィープ」の開発につながりました。

 こうした取り組みをSDGsに向けた商品へとつなげることができます。実際にエンドユーザーの調達戦略にSDGsが組み込まれることも増えてくるでしょう。例えば裁断くずを原料に再生する「ループラス」なども活用することができるはずです。再生ポリエステル「アフターペット」の提案も改めて強化します。労働現場でも高齢化や女性の活躍が進みます。そのため将来的にはアシストスーツなど新しいカテゴリーの商品も登場するはず。そうした動きに対応する素材の研究開発にも取り組みます。

  ――ワーキング以外の用途については。

 白衣は元々、大きな規模ではありませんが高付加価値な商品に特化することで計画を上回っています。リネンサプライ向けもストレッチ品が増加するなど新しい動きが出てきました。これら分野も今後もしっかりと取り組みます。

(毎週木曜日掲載)