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富士紡ホールディングス/繊維を高利益事業に/加工は設備投資で高付加価値化

2019年09月30日(Mon曜日) 午後4時50分

 富士紡ホールディングスは2019年度(20年3月期)下半期の重点課題として繊維事業の構造改革に取り組む。中野光雄会長兼社長は「将来性を見込めない分野から利益率の高い分野へのシフトを引き続き進めることで、繊維事業を高利益事業に再編する」と話す。

 中野会長兼社長によると、今上半期(4~9月)の業績は全体としては、ほぼ計画通りに推移している。主力の研磨材事業や化学工業品事業は米中貿易摩擦や日韓対立の影響が危惧されたが、「想定していたほど影響はなかった」と話す。逆に中国が米国から輸入していた商材に関税が課せられたことで日本品に置き替えられたケースもあると言う。日韓問題でも日本の輸出規制を警戒する韓国企業が在庫を積み増す動きが出ている。一方、繊維事業は苦戦が続く。主力のインナー製品は主要販路である量販店などで衣料品売り場の縮小が続いている影響が大きい。糸・生地販売も国内需要減退で勢いがない。

 中野会長兼社長は「繊維事業の環境は引き続き厳しい。事業全体を見直し、将来性が見込めない事業からは手を引き、利益率の高い事業へのシフトを続ける」と強調する。紡績はフジボウテキスタイルの大分工場(大分市)とタイ子会社のタイフジボウテキスタイルの生産・販売を一体的に捉えることで最適化を進める。縮小が続いた織物販売も「今後の在り方を検討する」との考えを示した。

 一方、フジボウテキスタイル和歌山工場(和歌山市)の染色加工事業は「現場の頑張りもあり、健闘している」と説明、液流染色機を低浴比タイプに更新するなど設備投資も行いながら高付加価値加工への特化を進める。

 インナー製品事業はネット通販での販売拡大が続いていることから、引き続き新チャネルでの拡大に取り組む。そのほか、フジボウ愛媛の小坂井工場(愛知県豊川市)で生産するステンレス繊維や機能合繊の拡販にも力を入れる。特にステンレス繊維は自動車用途での採用拡大を目指す。