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「インターテキスタイル上海19秋展」レビュー(4)/市場変わり再出展の動きも

2019年10月08日(Tue曜日) 午後1時8分

 今回展では再出展の動きも増えた印象で、中国市場の変化や商品開発の進展などがその背景にある。

 旭化成は、キュプラ繊維「ベンベルグ」に加え、3年ぶりにスパンデックス「ロイカ」が復活した。これまで単独出展だった寧波宜陽賓覇紡織品も同じブースで出展し、幅広い提案となった。

 ロイカは、中国市場でも同社がターゲットとするプレミアムゾーンが拡大してきたことからの再出展。今回は10種類の機能糸をテーマごとにくくってロイカファミリーの提案を行うなど欧州での手法で提案したが、今後は中国に合うようアレンジしていく。ベンベルグはアウター、裏地、インナーの各用途で、最新素材を紹介した。アウター用では経ウール×緯ベンベルグ長繊維の先染め糸やジョーゼットのプリント物などが人気だったほか、「これまでサンドウオッシュ一辺倒だったが、クリアな表情の素材も好評だった」と言う。

 カネカは約10年ぶりの出展で、エコファー用のモダクリル繊維「カネカロン」、難燃防護服用「カネカロン プロテックス」を紹介した。

 エコファー用の再出展は、以前は原料販売が主体だったが近年は生地開発に関わる取り組みを増やしているため。この中で生地のバリエーションも充実し、獣毛に近い表情を創り出すだけでなく、鮮やかな色使いなど意匠性を重視した商品も充実した。将来的には生地販売に踏み込むことも検討している。プロテックスは資材系中心に展示会に出展しているがアパレル素材展は初。中国ユニフォーム市場の拡大が見込まれることに加え、中国でカネカロン×プロテックスの共同プロモーションの可能性を検討していることも背景にある。

 帝人フロンティアグループはジャパン・パビリオン(JP)とローカルブースに出展した。JPには帝人商事〈上海〉のODM衣料部が出展し、オリジナル素材と製品を展示した。素材はポリトリメチレン・テレフタレート(PTT)繊維「ソロテックス」と、たこ足型断面ポリエステル「オクタ」をメインに展示し、ソロテックス使いの製品染めもアピールした。

 南通帝人は重要な顧客と定期的に会う場と位置付けて継続出展している。QRのニーズが高まる中で今回はイチ押し素材に絞って展示した。ソロテックスとエコ素材の提案に力を入れたほか、ランニングやカジュアルパンツなどの素材も紹介した。訪問客は欧米や韓国など海外ブランドが増えた中で、特にソロテックスへの関心は高かったと言う。

 東レグループの東麗酒伊織染〈南通〉(TSD)は出展品数を絞り込み、織物は主力のダウンウエア用を中心に展示した。近年は軽量よりも風合いを求める声が増える中、綿調やラミネートでハリ・コシを出した生地を紹介したほか、袋2重織りのキルトレス素材など特徴ある商品を紹介した。

 昨年秋に続いて東麗合成繊維〈南通〉、東麗繊維研究所〈中国〉と3社連携による開発品も紹介し、今回はリサイクルに焦点を当てた展示とした。