ユニクロ/インド1号店開業/「インドの可能性は無限」

2019年10月08日(Tue曜日) 午後1時19分

 カジュアル衣料販売店「ユニクロ」を運営するファーストリテイリングは4日、インドの首都ニューデリーで同国1号店を開業した。開業に先駆けて3日、1号店で会見を開催。登壇した柳井正会長兼社長は「インドの可能性は無限。(約700店舗を展開する)中国と同等、あるいはそれ以上を期待している」と意気込みを見せた。年内にニューデリーに2号店、北部グルガオンに3号店を開業する。

 1号店は、ニューデリー南部のバサント・クンジにある商業施設「アンビエンス・モール」に設置した。1~3階から成る1号店の売り場面積は3300平方メートル。柳井氏は「(インド1号店は)世界有数の広さの店舗だ」とアピールした。

〈インド最重視も出店戦略「未定」〉

 柳井氏は、「インド進出は当社が長らく待ち望んできたこと。人口は13億で世界一、国内総生産(GDP)成長率が高く、若者が多い。飛躍的な成長が望まれるこの国で初店舗をオープンできることをうれしく思う」とあいさつした。また近く2~3号店の開業を予定していることに触れ、3店舗ほぼ同時オープンは「インド市場を最も重視する当社の姿勢の表れだ」と、集まったインドメディアにアピールした。

 柳井氏は一方で、インド事業はまだ手探りの状態である点を強調。出店戦略と出店計画について尋ねると「目標も戦略も、まだ何も決めていない。(インドについて)知らない人間が、戦略の立てようがない。これからまず、本当のインドを知っていきたい」とコメントした。ただ、「インドは中国と似ていて、(しかし現在は中国に進出した当時より)発展のスピードが速くなっている。ベストのタイミングで進出できたと感じているし、中国以上の期待をしている」と将来への期待をあらわにし、「まずデリーで顧客の信頼を得たい」と語った。オンライン販売についても「早期に始めたい」と意気込んだ。

〈インドの「クルタ」を世界に〉

 ユニクロは1号店で女性用、男性用、子供用の全コレクションに加え、インド人デザイナーとコラボレーションした同国発の「クルタ・コレクション」を販売する。インド人女性の日常着で伝統服でもあるクルタをモチーフにした女性用コレクションで、チュニックは2490ルピー(約3750円)から、ドレスは2990ルピーから、パンツは2490ルピーで販売する。

 クルタ・コレクションはインド1号店のほか、4日から東京・銀座店でも販売を開始。その他、インドネシアなど東南アジア6カ国でも10月中に発売する。

 ユニクロ・インディアの清智彦・最高経営責任者(CEO)は開発の経緯について、「(インド人の日常着であるクルタは)世界で支持されるであろう素材、形、デザインであるとの認識に至り、(ユニクロのこだわりを加えたコレクションは)インド国内でも支持されるだろうということで商品化した」とコメント。

 柳井氏は「インドの歴史や知恵に学んで、クルタをはじめとする多くの革新的な商品を作っていきたい」と語り、インド発のコレクションの展開拡大にも意欲を示した。

〈年内に3店開業 直営工場も視野〉

 インド2号店は、11月に開業予定のニューデリー南部の商業施設「DLFプレイス・サケット」に出店する。1~2階の2フロア展開で売り場面積は約1980平方メートル、同施設の開業に合わせて11月にオープンする。

 3号店はグルガオンの商業施設「DLFサイバー・ハブ」に設置。1~2階の2フロア、面積は約1150平方メートルで、年内に開業する。

 インドでは目下は、クルタ・コレクション以外はベトナムや中国、バングラデシュから輸入した商品を販売する。ただ、2016年に南部ベンガルール(バンガロール)に調達拠点を設置済みで、既に現地で数社の協力工場と話がまとまっている。インドでは直営工場の設置も視野に入れて、インド政府が海外直接投資(FDI)規制で求める「現地調達率30%(金額ベース)」の早期実現を目指す。

 インド法人の社員数は約500人で、9割がインド人となっている。

〔NNA〕