「インターテキスタイル上海19秋展」レビュー(5)/副資材もエコの流れ

2019年10月09日(Wed曜日) 午前11時24分

 YKKグループは中国の事業会社5社が連携して出展し、ファスナー、ボタンをトータル提案した。2017年春から上海YKKジッパー単独でなく、YKK深センや、大連YKKジッパー、YKK香港など中国YKKグループが連携して展示する形に変えて来場者は大きく増えていたが、今回も昨年に比べて来場者は増加した印象を与えた。ブースでは「スポーティ」「軽量」「サステイナビリティ」をテーマに幅広く商品を紹介したが、特に環境配慮型商品や機能性商品への注目度が高かった。

 サステイナビリティー(持続可能性)への取り組みを強化する中、環境配慮型商品の提案も加速している。ブースでは再生ポリエステルを使った「ナチュロン」など環境配慮型商品を集めたコーナーを設けたが、ここが最も人気が高かった。商談はより具体的なものになり、「以前はリサイクル材を使用した製品という説明で会話が終わることも多かったが、今回は材料やリサイクル比率など詳しい説明を求められる場面が増えた」と言う。

 機能性商品は難燃性ファスナー、止水性を持たせたファスナーのほか、止水より機能性が1ランク上の簡易防水ファスナー「アクアシール」が注目された。初めて出展した日本製「フラットニット」の細幅ファスナーも人気だった。

 ナクシスは出展せず個別商談に力を入れた時期があったが、サステイナブル品やRFID(無線通信による商品の個別管理システム)など新商品が増えたこともあって再出展した。サステイナブルでは環境配慮型の織ネーム、バイオマス素材を使ったパッケージ、FSC(森林認証)を取得した紙で作ったパッケージ用ホックやハンガーなど幅広く商品をそろえる。織ネームは再生ポリエステルやオーガニック綿、タグやカラーではTBM(東京都中央区)の石灰石を使った素材「ライメックス」など、使われる素材も幅広い。

 この5年で市場が急拡大しているRFIDは新たな活用法を含めて提案した。現在は物流や店舗管理に使って在庫圧縮に生かすシステムとして中国アパレルからも高い関心を集めるが、そのほかにもデジタルサイネージを併用した自動コーディネート提案や自動レジ化などさまざまな使い方が可能。既に上海にショールームを設けて提案を進めており、ブースでもショールームを再現してRFIDのさまざまな可能性を訴求した。昨年は世界でRFIDタグ6億枚を展開したが、今年は10億枚を計画し、上海納格西斯商標でも2、3億枚を生産している。

 初出展の朝日ファスナーはビンテージ風の「ウォルディス」などを紹介した。ウォルディスは基布を力織機で織り、エレメント素材にもこだわるなど1940年代の米国品を忠実に再現した商品で、ジーンズやミリタリー系ブランドから高い人気を得た。会期中には上海連絡事務所の機能を任せる提携企業も見つかり、今後の中国内販の拡大につなげる。

 島田商事〈上海〉は再帰反射テープや一工夫加えたテープやワッペン、ひもなど付加価値品を中心に出展した。以前は日本製を中心に紹介していたが、昨年から中国での開発品主体に切り替えた。同社の中国内販はボタンやテープなどの小附属で、中国で開発・生産する高付加価値品を中心とする。主販路はグローバルスポーツメーカーやSPAだが、16年から中国内販も本格化し、スポーツやカジュアルブランドとの取り組みを着実に伸ばしている。

(おわり)