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学生服メーカー2018年度決算/売上高で過去最高続くも減益に

2019年10月21日(Mon曜日) 午前11時18分

 学生服メーカー大手3社の2018年度連結決算が出そろった。菅公学生服、トンボ、明石スクールユニフォームカンパニー(明石SUC)の3社とも前期に引き続き増収となり過去最高の売上高を更新したが、いずれも営業減益となった。市場で3社による寡占化が進む一方で、人件費をはじめ、生産や物流などコスト増への対応策が後手に回りつつある現状が浮き彫りとなった。

 菅公学生服はスポーツの売上高が初めて100億円を突破。学生服も教育ソリューション事業の取り組みが広く理解されつつあることが、制服モデルチェンジ(MC)校の獲得につながり、増収だった。利益面は人件費や物流費の高騰、17年に稼働した南九州カッティングセンター(宮崎県都城市)の償却など設備に関する費用がかさみ、純損益は赤字幅が縮小したものの、2期連続の赤字となった。

 トンボ、明石SUCも今年の入学商戦で制服MC、スポーツの新規採用校を順調に獲得したことで増収だった。しかし、利益面はトンボが物流コスト、人件費の増加などで経費が前期より2億円増え2期連続で減益。明石SUCも生産・物流コストの上昇が響くとともに、国内自家工場の採算性が悪化し3期連続の減益となった。

〈利益改善に向け値上げも視野〉

 来入学商戦はMC校が増える見通しから2019年度決算については3社とも引き続き増収を想定し、売上高の過去最高の更新を狙う。しかし、利益面については不透明で、売り上げを追い求めるほど、生産キャパシティーの確保に追われ、利益面がますます厳しくなる。

 中でもアソートなどで肥大化する物流コストの削減が各社の課題。菅公学生服は物流のエリアセンター化を進め、年内に前橋市、宮崎県都城市に物流センターを新設する。トンボは21年に茨城県笠間市に物流センターを立ち上げ、岡山に集中していたアソート対応を関東でも対応できるようにすることで物流の効率化を図る。さらに各社は人工知能(AI)やモノをインターネットにつなげるIoTによる業務改善にも取り組む。

 瀧本を子会社化したトンボは20年6月期、売上高398億円と大幅増を計画。学生服は310億円(前期218億円)、スポーツは60億円(同48億円)の売上高を見込む。今期スタートする3カ年の中期経営計画では最終年度の22年6月期に売上高400億円を想定するが、前倒しでの達成の可能性が高い。ただ、瀧本は20年6月期も赤字になる見通しで、グループ全体でも減益を見込む。

 ニッケを皮切りに学生服地メーカーが生地の値上げを表明する中、制服の値上げに向けた動きも本格化しそうだ。トンボは来年秋以降から学校に対して値上げを打診。個別に交渉をしながら、21年の入学商戦からの値上げを視野に入れる。明石SUCも値上げの必要性を示唆する。