特集 パンテキスタイルフェア大阪2019/サステ、機能性、ベトナム生産目白押し/台湾メーカー、コンバーター58社出展(10月30、31日、大阪OMMビルで)

2019年10月25日(Fri曜日) 午後4時50分

 台湾の繊維産業連合会である紡拓会(台北市)は10月30、31の両日、大阪OMMビル2階C&D展示ホール(大阪市中央区)で素材の見本市「パンテキスタイルフェア大阪2019」を開く。近年最多の58社が出展し、合繊素材を中心にサステイナブル(持続可能な)や機能素材、ベトナム生産を訴求する。有力メーカー20社を紹介する。

〈ベトナム製サステ織物/福懋興業〉

 台湾塑膠工業(台湾プラスチック)傘下で、合繊織物メーカー最大手。生産はベトナムと中国、台湾で行っており、中でもベトナムが好調。2019年末の年産能力は、染色加工ベースで約2億6千万ヤードになり、うち1億ヤードをベトナム生産が占めるもよう。

 今回展では、ベトナムで生産するリサイクルポリエステル、リサイクルナイロン使いや、非フッ素撥水(はっすい)素材などのサステイナブル素材をメインに紹介する。

 今年は欧米系メガスポーツ向けの販売が好調を維持する。引き合いを伸ばしている生地はリサイクルポリエステル使いなどのサステイナブル素材で、アディダスなどが積極的に採用している。これに対応し、リサイクルナイロン使いの生産にも乗り出した。

〈越製の差別化ニット生地/中良工業グループ〉

 衣類と靴用途のニット生地(横編み、丸編み、経編み)がメインで、開発から生産、ラミネート、ボンディング加工までベトナムと中国の工場で展開する。

 ベトナム法人2社(越南中良、越南中鎮)が出展し、フリースの代替素材となる特殊糸「毛性紗」を使った生地▽キックバック性に優れたポリエステル100%のコットン調ニット生地▽ポリエステル100%の保温性の高いジャケット向け生地――と、ベトナム生産による関税フリーのメリットを訴求する。

 2020年、ベトナム第2工場となる越南中聚を開業する。メガスポーツブランド向けの靴のアッパー材の編み立てと、染色加工を行う。同社を加えた新体制で、グループ連携を加速していく。

〈リサイクル「トップグリーン」/遠東新世紀〉

 台湾屈指のコングロマリット、遠東集団(ファーイースタン・グループ)傘下の繊維企業。台湾、中国(蘇州・上海・無錫)、ベトナムで工場を運営し、原料から糸、生地、製品まで一貫生産する。

 生地、ナイロン66、長繊維、紡績糸の4部門が今回出展する。生地部門はペットボトルの回収から自社で手掛けるリサイクルポリエステル繊維「トップグリーン」、ナイロン66部門は100%リサイクル素材だがバージン品と同品質の服地、長繊維と紡績糸部門はトップグリーンの機能糸などを出展し、大手商社などとの取り組み拡大を目指す。

 リサイクルポリエステル生産には20年強の実績がある。台湾で回収されるペットボトルの半分を同社が使用。日、米でフレーク工場も運営している。

〈日本向けデニム調ニット/達歩施企業〉

 紡績から糸の染色、織布・編み立て、縫製、製品洗いまで一貫生産するデニム地とデニム調ニット生地のメーカー。

 今回もデニム調ニット生地を前面に打ち出す。コットン61%・ナイロン36%・スパンデックス3%の糸を使い、生地の裏側が通常のデニム地と同じような風合いにした生地▽綿100%のストライプ柄ツイル調▽涼感性を持つリネン混の春夏向け――など日本市場向けに開発した生地をアピールする。

 ベトナム工場も訴求する。現在はニット、布帛製衣類の縫製と製品洗いを手掛けるのみだが、2020年末に織布にも参入する計画。

 日本市場の開拓は、16年から本格化した。レディースブランドなどとの取り組みが始まっている。

〈ナイロン加工糸の老舗/立祥実業〉

 ナイロンを主力とする1969年創業の老舗加工糸メーカー。ナイロン延伸加工糸(DTY)の生産能力は、台湾最大規模を誇る。

 今回はメイン商材のナイロンDTYを、生地サンプルを出展しアピールする。特殊な技術でストレッチ性を高めたポリエステルDTYも訴求。同ストレッチ糸は現状、DTYのみだが、エアスピニング加工糸(ATY)と延伸糸(FDY)もまもなく投入予定。

 台湾中西部、彰化県の工場の敷地面積は3万平方メートル。仮撚り機やコーンワインダーなど最新鋭の設備を備える。月産能力は、本白(ロウホワイト)糸が600トン、染め糸が200トンで、染色加工は200トン。

 販売先は南米、米国、中国、東南アジア、南アフリカなど海外が中心。

〈越製の再生ナイロン糸/展頌〉

 ナイロン6とナイロン66のフィラメント、延伸仮撚加工糸(DTY)、空気加工糸(ATY)、丸編み生地のメーカー。台南工場でフィラメント、ベトナム工場で加工糸と丸編み生地などを生産している。

 今回展では、リサイクルナイロン糸と、細繊度の差別化糸をアピールし、アウトドアブランドの開拓を目指す。

 ベトナム工場は2年前に稼働を始めた。年産能力はDTY2400トン、丸編み生地3362トン、ダブルニット構造の生地3788トン、染色9600トン。米中貿易摩擦を追い風に、リサイクルナイロン糸を中心に生産を拡大している。

 メイン顧客は欧米アウトドアブランドで、日本顧客の売り上げ比率は、現状5%程度にとどまっている。

〈廃棄漁網の再生ナイロン糸/富勝紡織〉

 2000年代初め、台湾で最も早くペットボトル由来の再生ポリエステルを開発したリサイクル糸のパイオニア。

 13年に台湾海洋局から提供を受ける廃棄漁網を使ったリサイクルナイロン糸の生産に乗り出した。16年には同糸使いの生地の生産も開始。今回展では、同糸を前面に訴求する。

 今年1月、同糸とペットボトル再生ポリエステルを各50%混紡したリサイクル糸の量産を始めた。現在の月産能力は、リサイクルナイロン糸が50~60トン、ポリエステル混紡糸が100~120トン。

 彰化県の工場では、リサイクル糸の紡績から織布、製品まで一貫で手掛けている。商品別売り上げ構成比は糸15%、生地35%、製品50%、市場別比率は欧米7割、日本3割。

〈サステ、抗ピリの紡績糸/東和紡織〉

 台湾・台南工場で綿高率混(CVC)と、機能糸を生産する綿紡績大手。小ロット・多品種生産を強みとし、1カ月に70~80品目を生産している。

 今回は、サステイナブルと、抗ピリング性の機能糸をテーマに出展する。「デュポンソロナファイバー」を使ったストレッチ糸やメランジュ糸などを打ち出す。

 ここ数年、CVCから機能糸へのシフトを急速に進めている。今年はその一環として研究開発センターを新たに立ち上げた。6万錘のうち、既に2万5千錘を機能糸が占める。今年末までにこれを3万錘に増やす計画だ。

 日本の素材メーカーとのコラボレーションにも積極的。コラボを生かした日本市場の開拓に2年前から取り組んでいる。

〈特殊な高視認性の生地/宏良国際〉

 台湾南部の嘉義県の工場で難度の高い合繊織物に特化し、生産している。開発力が強みで、特殊な機能性を持つユニフォーム向け生地を得意としている。

 今回展では、高視認性のユニフォーム向け生地=原着糸を使い洗濯しても蛍光色が退色しない▽ラミネート加工で耐摩耗性を高めたストレッチ織物=ユニフォームのパンツ地として欧州で実績がある▽リサイクルポリエステル使いの高視認性の生地▽価格競争力のあるストレッチ生地=ポリウレタン(PU)を使わず、織り組織の工夫でストレッチ性を持たせた生地――などを前面に紹介する。

 ここ数年、日本で新規顧客の開拓に力を入れている。フィッシングウエア向けなどの取り組みが始まっている。

〈「リッチ・ヤーン」の紡績糸/佳紡国際貿易〉

 原糸段階で高いUVカット性、抗菌性を持たせた独自素材「リッチ・ヤーン」を展開する高機能素材メーカー。

 今年投入したばかりのリッチ・ヤーンの紡績糸「スパン・リッチ」を訴求する。リッチ・ヤーンは、従来フィラメントだけだったが、ピリングなどの問題をクリアーしたポリエステルの綿調紡績糸の開発に成功。ニット、布帛製のパンツ地向けとして提案していく。

 リッチ・ヤーンは、ポリエステルとナイロンの2種類を展開。台湾の協力工場で紡績し、自社の織布工場と外部の編み立て工場で生地にしている。

 リッチ・ヤーンは、欧州のユニフォーム向けが主力。米国のカジュアルブランドや日本のゴルフブランドとの取り組みも始まっている。

〈電動ファン付きウエアの生地/東紡興業〉

 台湾に織布工場と染工場を持ち、ユニフォーム向けの機能性生地を得意とするメーカー。

 今回展では、電動ファン(EF)付きウエア向け生地=日本のEF付きウエアの基準に対応する▽導電性生地=ユニフォーム向けとして提案する。同生地を使ったスマートウエアも披露する予定▽静電気発生を抑える生地=ポリウレタン(PU)を使わず、織り組織の工夫でストレッチ性を持たせた――などを出展する。

 2年前からスポーツ用途からユニフォーム向けにシフトした。台湾生産で競争力を出せる素材に絞ったことが功を奏し、生産規模を順調に拡大している。これに対応し、日本メーカーの織機300台を今年新たに導入している。

〈120回洗濯可の超撥水/尚益染整加工〉

 30年強の歴史を持つ染色加工大手。台湾・桃園市に「ブルーサイン」認証などを取得した自社染工場を持つ。2015年から染色加工の強みを生かした生地も展開。

 今回は、超撥水(はっすい)加工の生地=スキーウエアやジャケット向けのラミネート加工生地。撥水は表面、裏面ともに120回の洗濯に耐える▽特殊コーティングのリサイクルナイロン生地=コーティングの原料にひまし油を使っており、生分解性を持つ▽発熱性を持つ生地=中空糸使いで紫外線を吸収して発熱する。インナー、パンツ向けとして提案――を出展する。

 日本市場の開拓を2016年に始めた。大手アウトドアブランドなどとの取り組みを拡大しており、日本向け売り上げは全体の1割に達している。

〈婦人ファッション向け織物/統麒興業〉

 ファッション向け織物、スポーツカジュアルのパンツ地、台湾の軍隊、学校向け制服地などを展開する織物メーカー。

 2016年からファッション向け織物の展開に力を入れている。今回もポリエステルと天然素材の交織のスーツ地と、ナイロンとポリエステルのパンツ地の二つを前面に打ち出す。OEM企業やアパレルブランドの開拓を目指す。

 台南の工場の月産能力は、100万~150万ヤード。レピア織機、ウオータージェット織機、ジャカート織機など計50台を導入し、バラエティー豊かな生地を生産している。

 売り上げの市場別比率は日本6、欧米3、その他1。日本向けは台湾の商社を通じた取引が多い。欧米は16年に開拓を始め、順調に拡大している。

〈インナー向け特殊丸編み地/達紡企業〉

 インナー、スポーツウエア用途の丸編み地メーカー。両面とも表地で、11デシテックス使いの薄さながら高いストレッチ性とキックバック性を持つ「両面ストレッチ生地」など、生産難度が高い特殊な生地を得意とする。

 今回展では、インナーや枕、クッションなどのホームテキスタイル用途として開発したポリエステル100%のダブルラッセル生地=黄変の心配がなく、ダニ防止の機能を持つ▽編み組織の工夫による撥水(はっすい)機能を持ったラミネート加工の生地▽ナイロンの涼感素材=パンツ地として提案――を紹介する。

 2019年末に、桃園市の既存工場の側で編み地の新工場を開業し、月産能力を現状の125万メートルから250万メートルに拡大する。そのため、日本や中国大陸での新規顧客の開拓を急いでいる。

〈スプレー染色などサステ素材/昊 紡〉

 90年代に機能性生地にいち早く特化した台湾のパイオニア的存在。「アディダス」や「ニューバランス」の重要サプライヤーの一社。

 出展の目玉は、スプレー染色によるサステ素材「カラーマックス」=米国、ドイツ、日本で特許を取得したスプレーを使った特殊技術で染色する絞り染めのような風合いの生地▽機能性ポリエステル「クールマックス」を使った涼感素材▽コーヒーかすを使った保湿効果のある独自素材――の三つ。

 これまで染色加工のみ台湾で手掛けてきたが、今年7月にベトナムで織布・編み立て、染色加工、プリント一貫の合弁工場を立ち上げた。染色加工の月産能力は現在200万ヤードで、今後800万ヤードに拡大する予定。

〈美肌繊維「ウモーアフィル」/博祥国際〉

 機能性サステ素材の「美肌繊維(ウモーアフィル)」を展開する。同素材は魚のうろこ由来のコラーゲンが原料で、保湿などの肌に良い効果が期待できる。廃棄されるうろこを使うサステイナブル(持続可能な)素材でもある。

 日本でウモーアフィルの糸を使った生地を生産する工場が増えてきたことから、今回初出展する。織布・編み立て工場や、商社にウモーアフィルを訴求し、日本での認知度の向上を図る。

 ウモーアフィル糸は、ポリエステル、ナイロン、レーヨンの三つをラインアップ。ポリエステル糸は、綿混紡糸メーカーの台南紡織(タイナン・スピニング)、ナイロン糸はナイロンメーカーの集盛実業、レーヨン糸は台湾プラスチック傘下の台湾化学繊維が生産している。

〈ファッション向けサステ織物/晨華企業〉

 台湾に織布工場(織機200台)を持ち、ファッションからスポーツ、アウトドア向けまで生産難度の高い高付加価値の織物を生産する。

 今回展では、サステ素材を中心にファッション用途の生地をアピールする。通気性などの機能性とファッション性を追求したリサイクル素材▽廃棄漁網を原料とするリサイクルナイロン生地▽ジャカード織物とカラミ織りを組み合わせ、通気性とストレッチ性に優れたゴルフウエア向けのパンツ地――を出展する。

 日本市場での売り上げは、全体の3割を占めている。日系大手商社を通じたスポーツブランド向けの販売が中心だが、今回展ではファッション向けを訴求し、レディースブランドなどの新規開拓を目指す。

〈アスレジャー向けニット生地/萬昌興業〉

 台湾のジャカード、織布、染色加工の各社が出資し、2017年に設立した機能性ニット生地メーカー。企画力や短納期を強みとする。

 初出展の今回は、米国の中堅高級スポーツブランド向けで実績を積む、高感度のニット生地を打ち出す。ポリエステル使いの天然素材調のアスレジャー向け生地▽レーヨン、ポリエステル、ポリウレタンを使った軽量、ストレッチ、吸水速乾の機能を持つ生地▽銀繊維、ポリエステル、レーヨン、ポリウレタン使いの抗ピリング性と抗菌の機能性生地▽原着糸を使ったサステイナブル(持続可能な)素材――などを出展する。

 企画力や、品質の高さなどが評価され、米国向けが順調に立ち上がっている。今回展を機に、日本向けの開拓にも乗り出す。

〈機能性天竺など丸編み地/澳美針織〉

 台湾の自社工場で丸編み地を生産。カジュアル、スポーツウエア向けの天竺をはじめとするハイゲージの薄地を強みとする。

 バラエティー豊かな丸編み地を今回披露し、カジュアルブランドの開拓を狙う。Tシャツ向けのメランジ=セラミック粒子を練り込んだ中空糸を使い、吸湿速乾の機能を持つ▽アウター、パンツ向けのポリエステル素材=3層構造の編み組織で保温機能などを持つ▽東洋紡の素材を使った発熱、速乾生地▽透け防止の薄地の軽量素材▽綿100%のスラブ糸を使った生地――などを出展する。

 工場は22~46ゲージの編み機42台を導入。年産規模は約60万ヤード。台湾メーカーの機能糸を使って、特殊な織り組織の差別化生地に特化し生産している。

〈ベトナムでのプリント加工/竣邦〉

 中国工場で織布と編み立て、ベトナム工場でデジタルプリントやパンチング、ボンディング、ラミネーションなどさまざまな加工を展開する。

 2017年にベトナムに進出し、プリントなどを手掛けてきた。今年9月には、パンチング加工に乗り出した。今回展では、こうしたベトナムでの加工を前面に打ち出す。スポーツやファッションブランドにはインクジェットプリントを、スポーツとアウトドアにはラミネート加工を訴求する。

 生地のメイン顧客は欧米ブランドで、約50ブランドと取引している。一方、ベトナムでの加工サービスは、主に台湾や韓国系の現地織布、編み立て工場に提供している。今回展を機に、日本企業の顧客も取り込みたいと言う。