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帝人フロンティア/軽量薄地と耐久性を両立/「シャドウリップ」開発

2019年11月27日(Wed曜日) 午前11時21分

 帝人フロンティアはスポーツ・アウトドア衣料向けに薄地・軽量性と耐久性を両立したポリエステル長繊維高密度織物「シャドウリップ」を開発した。強度を維持するために配列する格子状織組織に高強力ポリエステル長繊維を使用し、フラットな外観ながら摩擦などへの耐久性が高まった。2020年度(21年3月期)から21春夏向けで販売を開始し、初年度10万メートル、3年後の22年度には40万メートルの販売を目指す。

 合繊高密度織物は近年、細繊度糸使いによる薄地化・軽量化のニーズが続いている。

 細繊度糸の織物は引き裂き強度が不足するため、強度確保のために太い糸を格子状に配列するリップストップ生地が一般的。しかし、リップストップ生地は外観に格子柄の凹凸があり風合いも硬くなる。凸部分の摩擦耐久性も弱いといった課題があった。

 シャドウリップは格子状に配列する織組織に他の織組織と同じ太さの高強力ポリエステル長繊維「パズモ」を採用することで課題を解決した。薄地・軽量性と強力を維持しながら、生地表面の凹凸がなくなることで摩擦や引っ掛かりに対する耐久性も両立する。

 糸の配列変化や機能糸との交織も可能になる。これにより多様な生地設計ができる。パズモ以外の糸は再生ポリエステル長繊維とすることができるため、環境に配慮した生地企画も可能になった。

 中わた衣料の側地などスポーツ・アウトドアやスポーティーカジュアル向けを中心に提案を進める。ファッション衣料や学生服、ユニフォームなど機能衣料向けでも幅広く提案を進める。合繊高密度織物はナイロン織物の人気が高いが、シャドウリップの汎用性を生かし、ポリエステル高密度織物の需要拡大を目指す。

〈帝人 鈴木社長/ポートフォリオの変革続行/未来の社会を支える会社に〉

 帝人は「帝人グループ懇親会」を25日、大阪市内で開催し冒頭、挨拶した鈴木純代表取締役社長執行役員は「来年度からスタートさせる新しい中計を通じ、必ずや未来の社会を支える会社になる」との抱負を示した。

 帝人グループは2019年度(20年3月期)で現中計の最終年度を迎えており、「マテリアル事業をほぼプラン通りに推移させられている」と言う。米サウスカロライナの炭素繊維新工場、オランダでのパラ系アラミド「トワロン」の増設といった設備投資とも取り組んできた。

 米中貿易摩擦の長期化、日韓関係の悪化、香港での騒動などで国内景気も変調し、「雇用や企業の設備投資に悪影響を及ぼすことが懸念される」と見ているものの、次期中計でも引き続き事業ポートフォリオの変革と重点的に取り組み、「マテリアル、ヘルスケアなどの事業領域でソリューションの提供に力を入れていきたい」と語った。