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伊藤忠商事繊維カンパニー/EC拡大の動きを加速/各部門長が20年に向け方針示す

2019年12月25日(Wed曜日) 午前11時44分

 伊藤忠商事繊維カンパニーは、「商いの次世代化」という目標に向け、各部門が新しいビジネスモデルの構築に取り組んでいる。各部門長は東京本社で会見し、2019年の業績を振り返った上で、20年の方針を示した。

 清水源也常務執行役員ファッションアパレル部門長は、デサントの現状に触れ、「各プロジェクトの見直しを進めながら、新たな成長戦略に着手している」とした。

 ASEAN地域では、素材開発強化のため、伊藤忠テキスタイルプロミネントが、ベトナムに研究・開発拠点を新設した。競争力のある素材やブランドに絡めた繊維ビジネスを伸ばしている。

 原料から主導権を握るサプライチェーンを生かし、環境対応型素材を川上から川下までのプラットフォームベースに落とし込む取り組みが実績を上げている。今後も、フィンランドの森林業界大手であるメッツァ・グループとの合弁工場で作るセルロース繊維をはじめ、米国・ライクラ社のスパンデックス繊維「ライクラ」やケミカルリサイクルポリエステル「レニュー」といった素材の提案を強める。

 三浦省司執行役員ブランドマーケティング第一部門長は、19年を「各事業会社で電子商取引(EC)の活用が進んだ年」と位置付ける。ジョイックスコーポレーションは、売り上げ全体に占めるEC化比率が前期(19年3月期)の13・8%から今上期は15・4%まで上昇。コンバースフットウェアもEC売上高は前年比59%の伸びを見せた。

 20年に向けては「欧米から魅力あるブランドを持ってくるのが当部門の生命線。従来にない情報ツールも駆使し、きらりと光る商材を獲得することを第一に考える」。

 事業会社に対するリテールサポートも推進する。ジョイックスコーポレーションやコンバースフットウェアについて、「在庫を最適配分するシステムの構築が急務」とし、RFID(無線通信による商品の個別管理システム)を活用したシステムの導入を進める。

 福嶋義弘執行役員ブランドマーケティング第二部門長も、19年の重点事項にECの拡大を挙げる。「『レリアン』は毎年、ECの売り上げが2桁%以上も伸びている。今後も実店舗とECの相乗効果を高め、顧客との関係強化を狙う」。

 ブランドビジネスで目を引くのが「フィラ」の好調ぶりで、爆発的な売れ行きを見せたダッドシューズ「ディスラプター」が業績をけん引した。

 20年は、繊維資材・ライフスタイル関連で衛材の取り扱いを資材・原材料から最終製品まで広げ、展開地域の拡大も図る。

 ECについても、「今まで投資してきた分の刈り取りをする。会員制オンラインブティック『ミレポルテ』との協業によるオムニチャネル化が効果を発揮している。太い幹に育てていきたい」。