台湾・繊維イノベーション(中)/保湿力が高く、消臭効果も

2019年12月26日(Thu曜日) 午前11時57分

 ウモーアフィルのウモーアはラテン語で「潤い・水分」、フィルはフランス語で「糸」をそれぞれ表す。つまり、「潤いのある糸」という意味だ。世界に売り込んでいくことを考えて、欧米言語の語源であるラテン語名を付けた。

 ウモーアフィルの糸を使った生地の特徴は、保湿力が高く、肌に優しい上に、消臭効果があることだ。

 ウモーアフィルを使った新素材は、コラーゲンペプチドアミノ酸が含まれているため、皮膚を健康に保つ効果がある。皮膚が水分を失っても、ウモーアフィル素材の服を着用すれば、保湿性のある自然なスキンケアが可能になる。

 柔軟性があり、乳幼児の敏感な肌やシニアの乾燥した皮膚にも適しており、消臭効果も高い。洗濯を繰り返してもコラーゲンペプチドアミノ酸の活性が維持されることで、機能性が失われないのもウモーアフィルの強みだ。

 ウモーアフィルは2012年に完成したが、その時には資金を使い果たし、商品化するには出資してくれる大きな紡績会社を探すしかなかった。

 侯氏が売り込みに行ったところ、新たな機能性素材を求めていた台元紡織の目に留まり、1千万台湾㌦分の受注を得ることができた。そこから生産にこぎ着け、13年には台元紡織を通じて日本のジーンズブランド「ボブソン」に採用されることになった。

 量産化への足掛かりをつかんだ博祥国際が、本当の意味で世界市場への扉を開いたのは、15年にフランス・パリのファッション素材見本市「プルミエール・ヴィジョン・パリ(PV)」に出展した時だ。PVは世界の繊維産業で重要な地位にあり、厳格な選考を経た上でしか出展できないことで知られる。審査では革新性と独自性が求められる。

 台湾メーカーでPVに出展できる企業は少なく、15年に出展した際、原材料エリアにブースを構えた台湾企業は博祥国際だけだった。

 侯氏によると、初出展の時はブースの前を通りすぎる人はいても、商品を見に寄ってくる人はいなかった。しかしその後出展を重ねることで、欧州での知名度も上がり、引き合いも入るようになった。PVの出展を機に、トルコからの受注が入り、国際化へ踏み出すことができた。〔NNA〕