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帝人グループ/新中計は投資を継続/マテリアルは自動車に注力

2020年01月16日(Thu曜日) 午前11時26分

 帝人の鈴木純代表取締役社長執行役員、帝人フロンティアの日光信二代表取締役社長執行役員ら帝人グループ首脳は14日に福井市内のホテルで会見し、2020年度の展望や北陸産地との取り組みについて語った。

 帝人の鈴木社長は、来年度からの新中期計画について、「25年、30年に飛躍するための投資を続けるステージと考えている」とし、現中計以上の投資を行う考えを示した。長期ビジョンや重点領域など目指すべき姿は変えず、「優先順位を明確にした上で積極的な資源投入を継続する」と言う。

 今年度を最終年度とする現中計でマテリアル事業領域は、ほぼ計画通りに推移している。20年については「事業戦略の中核を成す事業ポートフォリオ変革として、引き続き自動車向け複合成形材料に注力する」と話した。

 ヘルスケア領域では新事業の創出・拡大をさらに強化する。現在は「治療」に加えて、「未病・予防」「看護・介護」の分野での取り組みも進めている。福井経編興業などとの共同開発による心・血管修復パッチなどマテリアルとの融合領域での開発も進めており、今後は「保険以外の領域を含めた包括的なヘルスケアサービスの展開を展開していきたい」と話した。

〈北陸との取引額は280億円に〉

 帝人フロンティアの日光社長は、19年度(20年3月期)の北陸産地との取引額が前年度比5億円増の280億円となる見通しを示した。昨年1月の時点では277億円の予想だったが、ポリトリメチレン・テレフタレート(PTT)繊維「ソロテックス」、「デルタフリーモ」や「オクタCPCP」など環境対応を訴求する商品の拡大で上回った。

 21年度は横ばいの280億円を見込む。中東向けや欧州向け輸出が回復基調にあるが、「中東の地政学的リスクなどを考えると横ばいになるかとみている」と言う。

 北陸産地との取り組みは引き続き重視する。日光社長は「グローバルで勝ち抜くためには、開発から糸加工、織・編、染色の各工程で世界トップクラスの技術・ノウハウを持つ北陸の産地企業との連携が必須。重点素材に位置付けるソロテックスなど幅広い素材群の開発を産地と共同で推進していく」と強調した。ソロテックスはファッション分野を中心に毎年約30%販売を伸ばしており、19年度の売り上げは100億円に達する見込みだ。

 帝人のマテリアル事業でも北陸との取り組みを進める。足元ではアラミド繊維「テクノーラ」を使った盛土・地盤補強用テキスタイル「アデム」、橋梁や高速道路などで使用する耐震補強シートが堅調なほか、サカイオーベックスと共同開発した超軽量炭素繊維織物の展開も始まっている。

 今後についても「帝人の研究開発と、北陸産地の高次加工技術やノウハウを連携させることで、顧客のソリューションとなる製品やサービスを提供できる。事業の幅出しや新規市場創出に向けてさらに推進していく」(帝人の武居靖道取締役専務執行役員マテリアル事業統轄)と方針を示した。