メーカー別 繊維ニュース

素材メーカーの新型肺炎対応/出張、再入国は原則禁止/工場稼働は状況見ながら

2020年02月04日(Tue曜日) 午前11時15分

 新型コロナウイルスによる肺炎の感染が拡大する中、日本企業も対応を急いでいる。現地工場の再稼働が遅れればビジネスへの打撃は甚大なものになる。3月24~26日に上海での開催を予定していた床材見本市の「ドモテックス・アジア」が無期延期を決め、今後は各種中国関連展示会の開催延期や中止も想定される。素材メーカーの対応をまとめた。

 クラボウは、外務省発表の海外安全情報に準じた対応として、原則、同国への出張は禁止中。現地グループ会社従業員への指示・対応も現地の行政の指導、指示に準じて対応。不用意な外出、人の集まる場所の回避、マスクの着用、手洗いの徹底を図っている。現地工場の稼働は、今週末までは営業、操業を止めて休業にしており、従業員は自宅待機にしている。再開時期に関しては、現地の行政の指導、情報、客先の稼働状況を注視して決める。

 ダイワボウホールディングスは中国への出張を取りやめている。中国からの帰国者にも自宅待機を命じており、帰国者の中国への再入国も当面延期する。蘇州の縫製子会社2社は9日まで休業で、その後の対応は検討中。騒動が長引けば「納期対応などで問題が発生する可能性もある」と危惧する。

 富士紡ホールディングスは、中国への不要不急の出張は控え、中国駐在員で帰国している者はいないが、現地での行動に関して注意喚起を行った。

 ニッケは1月27日から2月8日まで中国の全拠点で業務停止を決めた。その間は中国への出張や再入国も停止し、現地の状況や当局の判断も仰ぎながら10日以降の活動再開を検討する。中国拠点での活動が再開する場合、日本から大量のマスクを持ち込み、従業員に配布する準備を整えた。メッセージアプリを使った災害用連絡網を稼働させており、現地との情報収集・連絡も密にしている。

 トーア紡コーポレーションは中国への出張を当面の間禁止した。帰国者の中国への再入国も控え、広州と無錫の工場は操業停止中。広州では取引先の操業も止まっており、当局や取引先の動きに合わせて今後の活動を決める。無錫は騒動が長期化すると納期対応などで「問題が発生する可能性もある」としている。

 日清紡ホールディングスも中国への出張と帰国者の中国への再入国は当面、原則禁止。中国から日本に出張・帰国した者は14日間在宅勤務とし、中国の駐在員は湖北省への出張は当面禁止とした。

 東レは1月29日に武漢を含む湖北省への出張を禁止とし、香港・マカオを除く中国全土へは自粛を命じた。工場は春節で止まっているところがあり、一部工場では稼働再開時期の延期を検討中。いずれも3日時点での決定であり、「今後も情報収集に努めて状況に応じて対応していく」。

 帝人は、春節で止めている南通の工場を現時点では10日から再稼働させる予定。出張は武漢周辺を禁止とし、それ以外の中国も原則として禁止とした。緊急の案件は責任者の了承があれば出張できる体制にしているが、現時点で該当はない。

 旭化成は、現地事務所勤務者の9日までの自宅待機を命じたほか、工場勤務者には現地法人での判断とした。現在中国国外にいる駐在者については中国に戻らず在宅勤務とし、帯同家族は原則日本に一時帰国させた。

〈新型肺炎感染拡大で/広がる企業活動再開延期/広東省、江蘇省なども〉

 中国の春節は2日に終わったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、中国では企業活動の再開延期の動きが広がっている。「10日以降」の再開へと延期を発表する地域もある。省市によっては春節明けの出荷や生産が、少なくとも1週間以上遅れる懸念が出てきた。

 日本貿易振興機構(ジェトロ)によると、企業操業再開の時期を上海市、浙江省が10日以降としたのに続き、重慶市、江蘇省、広東省、山東省、安徽省、福建省、雲南省、江西省も10日以降に延期した。湖北省は14日以降とする。

 企業活動が再開されても、労働者が職場にどれだけ戻れるか、港湾の混乱などによる物流問題も懸念され、中国での生産、日本への納品にも大きな影響をもたらしかねない。

 一方、休業期間中の出勤や在宅勤務の報酬については、上海市人力資源・社会保障局が1月28日に、「市が通知した操業再開日(10日)までは休日扱いとなるため、企業は労働契約にのっとり通常の賃金を支払うこと。業務の都合上出勤を命じる場合は、休日出勤扱いとして、振替休日を与えるか、休日出勤日の割り増し賃金を支払うこと」との見解を既に示している。

〈肺炎で軒並み延期/上海の3月大型展示会〉

 【上海支局】上海で3月に開かれる予定だった繊維関連の大型展示会が、相次いで延期を発表している。新型コロナウイルスによる肺炎の影響の長期化を見越した動きだ。

 延期を発表したのは、繊維関連の出展もある「華東進出口商品交易会」(当初の開催予定日:3月1~4日)、レッグウエアの展示会「中国〈上海〉国際襪業采購交易会」(3月2~4日)、アジア最大級の床材見本市「ドモテックスアジア/チャイナフロア」(3月24~26日)。

 3月11~13日に開かれる予定の服地と副資材の国際展示会「インターテキスタイル上海アパレルファブリックス」は、未発表。