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旭化成/キュプラで産資用途に参入/細繊度糸などを開発へ

2020年02月04日(Tue曜日) 午前11時26分

 旭化成は、キュプラ繊維「ベンベルグ」で産業資材分野への参入を目指す。再生セルロースでは空白の領域といわれている5マイクロメートル以下の細繊度糸の開発やナノ粒子複合体の提案などを進める。用途は探索中としながらも、早い段階でアウターや裏地用途に続く新たな柱に育てる。

 ベンベルグは、アウターやインナー、民族衣装、裏地を主力とし、資材関連はお守りのひもや金襴(きんらん)をはじめとする一部用途での展開にとどまる。衣料向けは堅調な動きを維持しているが、今のうちに次の一手を考える必要があると捉え、産業資材分野に進出する。産業資材に耐えられるスペックを付与するため、糸に改良を加える。

 改良の一つが極細糸の提案だ。衣料用途や長繊維不織布で使用している糸の繊度は5~15マイクロメートルで、セルロースナノファイバーでは0・1マイクロメートルレベルになる。「5マイクロメートルから0・1マイクロメートルの間の繊度が再生セルロースでは作れていなかった」(ベンベルグ事業部)とし、開発に着手している。

 金属のナノ粒子などを担持させた複合体も打ち出す。ナノ粒子は金属単体や金属酸化物、金属窒化物などを応用することができ、組成に応じて抗酸化作用や触媒作用、近赤外線遮蔽(しゃへい)、光熱変換といった多種多様な機能・特徴の発現が可能だ。金属有機構造体(MOF)複合体も開発した。

 繊維強化プラスチック(FRP)などが用途の候補の一つに挙がるが、ポリ乳酸プラスチックと組み合わせることで生分解性の材料が作れる。「現状は産業資材全般でベンベルグの進出を考えているが、徐々に狙いを絞り込み、それに合致した商品を開発する」とし、「アウター、インナー、民族衣装、裏地に続く第5の柱にしたい」と話す。