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ベンベルグの時代 サステ機運を追い風に(2)/スタイレム/全課が取り扱う主要素材

2020年03月03日(Tue曜日) 午前11時38分

 スタイレムは20年前から旭化成のキュプラ繊維「ベンベルグ」を取り扱う。当初はシルクのフィブリル加工品の代替として、婦人服地を手掛けた。シルクにない落ち感とフィブリル性、さらに接触冷感という特性やレーヨンよりも取り扱いやすい点が評価され、販売を伸ばす。

 今では長繊維、短繊維、他素材複合、また無地からチェック、ジャカード、織物から編み地まで幅広く採用。ベンベルグを手掛ける日本の各産地企業から調達しており「ほぼ全課が取り扱う。ポリエステル、コットンに並ぶ規模になっているのは間違いない」と事業本部ファブリック事業部の飯田悟司副事業部長は言う。

 主力商品の一つは鞘ベンベルグ短繊維、芯コットンを配した2層構造糸使いで、ベンベルグのタッチとコットンのハリコシ感が特徴の「キュント」。国内外でシャツ、ブラウス、一部ボトム、コートに採用されている。

 ベンベルグ使用量が増えているのは「接触冷感という機能性と婦人服地に求められるソフト性、落ち感などの特徴に加え、日本の糸を使って難度が高い加工で仕上げた、他にはないテキスタイルになるから。しかも信頼性が高い」と分析。そして、ここに来てベンベルグのサステイナビリティー(持続可能性)も注目度が高まっている。飯田副事業部長は「特に土へと戻る生分解性に共感する川下企業は多い」と話し、ベンベルグを使ったテキスタイルを企画すると、成約も早いそうだ。

 こうした流れを受けて、20秋冬展では「ベンベルグ×スタイレム」のコーナーを設けてアピール。来場者から好評を得た。同社は環境負荷軽減配慮、リサイクル、動物愛護という観点からサステイナビリティー対応を強化する。一昨年に設けた品質検査室がトレーサビリティー(追跡可能性)を審査したものを認証し、三つのマークを付けられるが、環境負荷軽減配慮の主要素材の一つがベンベルグになる。

 その面で旭化成との取り組みを「さらに深めていきたい」考え。これはテキスタイル輸出を強化する上でも武器になる。プルミエール・ヴィジョン・パリはじめ海外展に積極的に出展するが、ベンベルグへの評価は高い。サステイナビリティーの意識が高い欧州はじめ海外市場に対応するためにも「旭化成、そして加工場と連携しながら共同開発によるオリジナル品を打ち出していきたい」と意気込む。そして、取り組みを深めることでQRも強化できると話す。